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蚊の寄せ付けやすさ
- 原語
- attractiveness-to-mosquitoes
- 研究
- 英国 pfizer WRD
この研究のふむふむポイント
かゆみとともに、感染症を運ぶ蚊!
蚊といえば、「刺される」「かゆい」といった不快感がまず思い出されるのではないでしょうか。しかし蚊はこれらの不快感だけではなく、感染症を媒介する「運び屋」でもあります。
蚊を寄せ付ける原因は?
蚊取り線香をたいたり、虫よけを塗ったりと、蚊に刺されないような対策は様々ありますよね。蚊は一体何を感知して、ヒトに近づいたり刺したりしているのでしょうか?
蚊を寄せ付けやすい遺伝子...!?
pfizer WRDの研究グループによる研究の結果、蚊の寄せ付けやすさに関係する遺伝子が見つかりました。
蚊の寄せ付けやすさについてもっと知る
かゆみとともに、感染症を運ぶ蚊!
蚊といえば、「刺される」「かゆい」といった不快感がまず思い出されるのではないでしょうか。しかし蚊はこれらの不快感だけではなく、感染症を媒介する「病原体の運び屋」でもあります。
近年話題になった、デング熱やジカウイルス感染症も蚊媒介感染症です。それ以外にもマラリアや日本脳炎など、蚊が媒介する感染症は多くあります。また2015年の統計結果によると、蚊によって亡くなった方は年間83万人にも及び、ヒトを最も殺した生物だというのです!
これらの蚊媒介感染症は、蚊が感染者の血液を吸う時に、病原であるウイルスや原虫を一緒に吸い、別の非感染者の血を吸う時にこれらの病原を感染させることで広まっていきます。
この厄介な「蚊」。刺されたくないのは勿論、できれば寄せ付けたくありませんよね。この蚊を寄せ付ける原因、何があるのでしょうか??
蚊を寄せ付ける原因は?
蚊取り線香をたいたり、虫よけを塗ったりと、蚊に刺されないような対策は様々ありますよね。蚊は一体何を感知して、ヒトに近づいたり刺したりしているのでしょうか?
オランダとケニアの研究グループによると、5種のヒト由来揮発性物質の混合物に、さらに二酸化炭素を4%加えたものと、そうでないものとで比較したところ、二酸化炭素が混ざっているものの方が有意に蚊を寄せ付けやすくなったと報告しています。この5種の混合物はヒトの匂い物質の素となるものから成っています。ヒトの匂いを感知して蚊は近寄ってくるのですが、さらに二酸化炭素が足されると、より蚊を寄せ付けやすくなる、というわけです。
汗をかいた時や、お酒を飲んだ時に蚊に刺される、とよく言われていますが、科学的にも根拠があったのですね。
蚊を寄せ付けるのは匂いだけなのでしょうか?実は遺伝子でも、蚊の寄せ付けやすさに関連するものがあるようなのです・・・!
蚊を寄せ付けやすい遺伝子...!?
pfizer WRDの研究グループによる研究の結果、rs1026157というSNPに「G」を持っているほど、周囲の人よりも蚊を寄せ付けやすいと感じる傾向があるとわかりました。
rs1026157にはTT,GT,GGの遺伝型がありますが、日本人平均と比べると
・TTの遺伝型を持つ人は「周囲の人よりも蚊を寄せ付けにくいと感じるタイプ」
・GTの遺伝型を持つ人は「周囲の人よりもやや蚊を寄せ付けやすいと感じるタイプ」
・GGの遺伝型を持つ人は「周囲の人よりも蚊を寄せ付けやすいと感じるタイプ」
という遺伝的傾向を持っているといえます。
研究の詳しい内容を見る
英国pfizer WRDの研究チームは、研究利用同意を得ている、17,576人の23andMe社の顧客を対象とし、蚊に関するアンケートと遺伝子について解析を行いました。
この研究では、蚊に刺された時の大きさ、かゆみの強さ、そして蚊の寄せ付けやすさの3つについてweb上でアンケートを取りました。
その結果、rs1026157というSNPに「G」を持つ人のほうが、「T」を持つ人よりも、周囲の人よりも蚊を寄せ付けやすいと感じる傾向があるとわかりました。
対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。
- 蚊を寄せ付けにくい
- 47.3%TT
- やや蚊を寄せ付けやすい
- 43.1%GT
- 蚊を寄せ付けやすい
- 9.8%GG
参考文献
【対象SNP】rs1026157