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寝不足時の判断力
- 原語
- decision-making-during-total-sleep-deprivation
- 研究
- 米国 ワシントン州立大学
この研究のふむふむポイント
よく眠れていますか?
あなたは最近、よく眠れていますか?寝不足は現代人が抱える問題の1つであり、生活習慣病やうつ病など様々な健康リスクを高める要因として知られています。
寝不足だと低下する判断力、遺伝子によって違いがある!?
寝不足だとふとした瞬間の判断や咄嗟の反応が遅くなったりしますよね。寝不足時の適切な意思決定に遺伝子が関わっているのではないかと考えたワシントン州立大学の研究グループは、睡眠時間と神経伝達物質であるドーパミンに関与するCOMTという遺伝子のSNPとの関連を調べました。
眠くても適切な判断ができる遺伝型とは?
ワシントン州立大学の研究により遺伝子と寝不足時の判断力について関連があることが分かりました。
寝不足時の判断力についてもっと知る
最近、よく眠れていますか?
あなたは最近、よく眠れていますか?寝不足は現代人が抱える問題の1つであり、生活習慣病やうつ病など様々な健康リスクを高める要因として知られています。MYCODEトピックスでは「肥満・アルツハイマー型認知症のリスクを高める睡眠不足、あなたは大丈夫?」として睡眠不足と生活習慣病の関係についてご紹介しています。
すべての人にとってちょうどいい睡眠時間、というのは分かっていませんが、最近は睡眠の記録を取るアプリやウェアラブル端末などが、次々に出てきています。また、寝具やパジャマでも、睡眠の質に注目した製品を見かけますよね。自分に合った睡眠時間や条件を知り、良質な睡眠を取ることは、健康な生活の基本と言えるかもしれません。
寝不足だと低下する判断力、遺伝子によって違いがある!?
様々な病気の要因ともなりうる寝不足ですが、それだけではなく、寝不足だとふとした瞬間の判断や咄嗟の反応が遅くなったりしますよね。
アメリカのワシントン州立大学を中心とした研究グループは寝不足時の適切な意思決定に遺伝子が関わっているのではないかと考え、睡眠時間と神経伝達物質であるドーパミンに関与するCOMTという遺伝子のSNPとの関連を調べました。
調査方法は、健康な対象者を2つのグループに分け、1つのグループには2泊3日、もう一方のグループには6泊7日で宿泊実験を行うというもの。さらにそれぞれのグループを「十分に睡眠をとってもらうグループ」と「寝不足になってもらうグループ」に分け、寝不足になってもらうグループには、
・2泊3日のグループ:38時間
・6泊7日のグループ:62時間
と、起き続けてもらいました。その後、全員に認知症などの診断にも使用されるGo/No-Go課題の改変版を受けてもらい、判断力のテストを行いました。
眠くても適切な判断ができる遺伝型とは?
この研究の結果、COMT遺伝子のrs4680というSNPに「G」を持つ人ほど、寝不足時の判断力が低下しやすいことが明らかになりました。
rs4680にはGG、GA、AAの遺伝型がありますが、日本人平均と比べると
・GGの遺伝型を持つ人は「寝不足時に判断力が低下しやすいタイプ」
・GAの遺伝型を持つ人は「寝不足時に判断力がやや低下しにくいタイプ」
・AAの遺伝型を持つ人は「寝不足時でも判断力が低下しにくいタイプ」
という遺伝的傾向を持っていると言えます。
※2019/5/28:結果表記の一部表現を訂正いたしました。
研究の詳しい内容を見る
ワシントン州立大学をはじめとする研究グループは、白人を中心とした健康な男女66人を対象とし、COMT遺伝子のrs4680の遺伝型と寝不足になった際のGo/No-Go課題(改変版)のスコアの関連解析を行いました。
その結果、寝不足になった際の判断力について、rs4680と関連があることが明らかになりました。
対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。
- 寝不足時に判断力が低下しやすい
- 50.4%GG
- 寝不足時に判断力がやや低下しにくい
- 41.2%GA
- 寝不足時でも判断力が低下しにくい
- 8.4%AA