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持久力

原語
endurance-performance
研究
ドイツ ミュンヘン工科大学

この研究のふむふむポイント

アスリートの持久力と遺伝の関係に迫る!

 今回のテーマは長距離ランナーなどの「持久力」。アスリートの持つ優れた持久力は、複数の要因が功を奏した結果と知られており、ズバリこれが関連!という遺伝子は見つかっていませんでした。それでもなお、「持久力と関連する遺伝子を見つけたい!」と研究を続けたグループの成果を今回ご紹介します。

研究グループが注目した「ADRB2遺伝子」とは?

 今回研究グループが着目したのが、「ADRB2遺伝子」。なぜならこの遺伝子は、心肺機能・筋肉の働き・エネルギー消費など、持久力と関係のある体質に影響のある遺伝子だったからです。

果たして遺伝子の影響は?

 この研究グループは、「持久力型アスリート」と「一般人」をそれぞれ300人集めて、アスリート体質とADRB2遺伝子に存在するSNPの遺伝型との間に関連があるかどうかを調べました。果たしてその結果は?

  • 2023年8月31日(木)12:00(正午)
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持久力についてもっと知る

日頃から運動してる?

 あなたは日頃、習慣的に何か運動をしていますか?年齢問わず行われている手軽な運動の1つが「ジョギング」。最近は、ジョギングのイベントも活発に開催されていますよね。身一つで行えるジョギングは、お金もかからないし、脂肪燃焼につながる有酸素運動なのでダイエットにも最適です。

 今回のふむふむテーマは、ジョギングを続ける上でも必要とされる「持久力」。ジョギングを始めたころはすぐにバテてしまい、「ああ、私、持久力無いなあ・・・」なんて感じることもあるかもしれません。この持久力、めげずにジョギングを続ける努力でも向上しますが、どうやら「遺伝」も関係しているようです。

 マラソン選手などのいわゆる「持久力型アスリート」が持つ優れた持久力は、遺伝、トレーニング、栄養管理など、複数の要因が功を奏した結果と知られています。複数の要因が関与する「持久力」に関して、ズバリこれが関連!という遺伝子は見つかっていませんでしたが、研究グループはこのたび、「β2アドレナリン受容体(ADRB2)遺伝子」に焦点を当て、持久力と関連があるかどうか研究を行いました。

脂肪燃焼にも関係!?注目されたADRB2遺伝子とは?

 興奮したときに「わーっ!アドレナリン出た!」と誰かが言ったのを聞いたことありませんか?その通り、アドレナリンは興奮したり緊張したりすると副腎から分泌されるホルモンです。今回研究の対象となった「β2アドレナリン受容体(ADRB2)」にも「アドレナリン」という言葉が含まれています。アドレナリン受容体と呼ばれるタンパク質にはさまざまなタイプが存在し、その1つである「ADRB2」は、アドレナリンそのものではありませんが、「カテコールアミン」と呼ばれるアドレナリンの仲間の物質を受け止めて作用させる、大切なタンパク質です。

 アドレナリン受容体遺伝子の仲間であるADRB2遺伝子は、以前からさまざまな研究の対象として着目されていました。研究が進む中で、ADRB2遺伝子に存在する「rs1042713」というSNPは、この遺伝子から作られるADRB2タンパク質の構成を変化させるSNPであると見つかりました。

 このADRB2遺伝子が変異したものは、「バナナ型遺伝子」と呼ばれることもあります。
 というのもこのADRB2遺伝子、エネルギー消費や脂肪燃焼にも関連しています。この遺伝子に変異を持っていると、変異が無い遺伝子を持っている人よりもエネルギー消費量が多く、「バナナのようにスッとした痩せ型」になりやすいそうです。
 一方、「バナナ型」の人が一度太ってしまうと、ダイエットをしてもなかなか脂肪が落ちないとも言われています。そのため、「若いころはスタイル良かったのにねえ・・・」なんて言われることも。
 ちなみに、持っていると内臓脂肪がつきやすいといわれる「りんご型遺伝子」や、皮下脂肪がつきやすいといわれる「洋なし型遺伝子」も存在しています。

果たして遺伝子の影響は?

 今回の論文は、ドイツのミュンヘン工科大学を中心に、北米・フィンランド・ドイツの複数の施設が参加した国際研究プロジェクトの結果です。このプロジェクトでは、「持久力型エリートアスリート」と「普段ほとんど運動をしていない一般人」で、ADRB2遺伝子に存在するrs1042713というSNPについて比較をしました。今回の対象者は全て白人男性でした。
その結果、一般人は持久力型エリートアスリートに比べて、ADRB2遺伝子に存在するrs1042713というSNPが「G」である割合が統計学的に顕著に高いと分かりました。

rs1042713というSNPは、GG、GA、AAの3つの遺伝型に分けられます。

日本人平均と比べると

・GGまたはGAの遺伝型をもつ人は「一般的な持久力タイプ」
・AAの遺伝型をもつ人は「持久力が高いタイプ」

という遺伝的傾向を持っていると言えます。

SNP(rs1042713)の遺伝型がAAということは、父親、母親の両方から、一般人タイプの「G」ではない方の「A」を受け継いだということを意味します。

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研究の詳しい内容を見る

 ドイツのミュンヘン工科大学を中心とした国際研究グループは、313人の「持久力型エリートアスリート」と297人の「普段ほとんど運動をしていない一般人」を比較する研究を行いました。

 アスリートの内訳は、クロスカントリースキー選手が104人、バイアスロン選手が86人、自転車競技選手が71人、長距離走選手が38人、その他選手(トライアスロン、漕艇など)が14人で、ドイツ人186人、北米人76人、フィンランド人52人でした。全員、数年以内に国内大会または国際大会に出場した男性アスリートです。

 運動持久力は「最大酸素摂取量(VO2 max)」というもので測定されます。これは通常、モーター付きのトレッドミルで計測されます。アスリートのVO2maxは最低でも75(mL/kg.分)以上だったのに対し、一般人では最高でも50(mL/kg.分)でした。ここからも一般人に比べてアスリートの持久力の高さが確認できます。

 313人+297人の合計610人について採血が行われました。血液から取り出されたDNAは、「PCR」および「制限酵素切断」という方法で解析され、それぞれの人についてSNP(rs1042713)の遺伝型が決定されました。遺伝型と持久力型アスリートとの関連性について、「カイ2乗検定」と呼ばれる統計手法で解析した結果、出身国や専門競技によらず、(1)アスリートと一般人とではそれぞれの遺伝型(GG、GA、AA)が占める割合が違うということと、(2)アスリートよりも一般人の方が「G」である割合が高い、という2つのことが分かりました。

対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。

  • 一般的な持久力
    80.8%GA&GG
  • 持久力が高い
    19.2%AA

本研究では、遺伝型に基づき、2種類のタイプに区分されます。 GGとGAはともに「一般的な持久力タイプ」、AAは「持久力が高いタイプ」、に区分されます。

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