あなたの結果もわかる!
顔認識力
- 原語
- face-perception
- 研究
- 英国 ケンブリッジ大学
この研究のふむふむポイント
だまし絵テスト ~ムーニー・フェイス~
一見するとただの白黒模様・・・でも良く見たら顔が隠れていた!そんな『だまし絵』を見たことがある人は多いのではないでしょうか? 例えばページ下部の図。これは『ムーニー・フェイス』と呼ばれる顔認識テストの一種。あなたには顔が見えますか?
顔が見えた瞬間、脳が活性化!?
『ムーニー・フェイス』テストのスコアの良し悪しは、右脳の働きと関係しているという研究もあります。下図で顔を見つけることができたあなたは、脳のニューロンがパッと活性化した、右脳派の人かも・・・!?
顔認識力も遺伝型のタイプでわかる?
ムーニー・フェイスを見つけられるかどうかにも、遺伝子が関係している可能性があるという結果が出た研究があります。
顔認識力についてもっと知る

だまし絵テスト ~ムーニー・フェイス~
★ グラスの絵だと思ったら、二つの顔が向き合っている絵だった。
★ 若い女性のうしろ姿だと思ったら、老婆の横顔だった。
そんな有名な『だまし絵』を見たことのある方も多いと思います。
右の図も顔認識テストの一種である『ムーニー・フェイス』と呼ばれるだまし絵の一つです。
ここでは、3つの絵のうち、1つの絵だけに顔が隠されています。
あなたは見つけることができますか・・・?
※答えはページ下部で!

『見えた!』の瞬間、脳では何が起きているの?
さて、あなたは顔を見つけることができたでしょうか?見つけることができた人には、もうその絵の中に顔があるようにしか見えないはずです。
この突如『見えた!』となる、パッと扉が開くような感覚、皆さんも日常の中でまれに感じることがあるのではないでしょうか?例えば、人の写っていないはずの写真の中に、突如人の顔が映っているように見えたり・・・実はこれらの感覚は、脳の神経であるニューロンの働きが関係していると考えられています。
人間の脳波を計測しながら『ムーニー・フェイス』のテストを行い、『見えた!』の瞬間に脳で何が起きているのかを調べた研究があります。その研究によると、被験者が顔を認識した、まさにその瞬間に脳内の広範囲のニューロンが一斉に同期発火(活性化すること)していることがわかりました。
『見えた!』の瞬間、あなたの脳の中でも、このニューロンの広範囲の同期発火が起きているのです。
さらに、『ムーニー・フェイス』テストのスコアの良し悪しは、右脳の働きと関係しているという研究もあります。上の図で顔を見つけることができたあなたは、脳のニューロンがパッと活性化した、右脳派の人かも・・・!?
顔認識力も遺伝型のタイプでわかる?
『ムーニー・フェイス』で顔を見つけるのが得意な人と苦手な人では、遺伝的にも違いがあるかもしれないと考え、ケンブリッジ大学の研究チームは、ムーニー・フェイスで測定した顔認識力の差異に関係する遺伝子を探しました。
研究の結果、興味深いことに、別の論文でも顔認識に関係すると報告されているRAPGEF5という遺伝子のrs1522280というSNPのタイプによって、ムーニー・フェイスのテストスコアに有意な差異があることを見出しました。
rs1522280にはGG,GA,AAの遺伝型がありますが、日本人平均と比べると
・GGの遺伝型を持つ人は「顔認識が苦手なタイプ」
・GAの遺伝型を持つ人は「顔認識がやや苦手なタイプ」
・AAの遺伝型を持つ人は「顔認識がやや得意なタイプ」
という遺伝的傾向を持っていることになります。
※ちなみに、上図のムーニー・フェイス、顔が隠れているのは、真ん中の絵でした。
研究の詳しい内容を見る
英国ケンブリッジ大学の研究チームは、顔認識力を調べる『ムーニー・フェイス』テストのWeb版を開発し、370人のヨーロッパ人でテストを実施、スコアを計測しました。
このテストは、一度に3つの絵を被験者に見せ、その中で一つだけ顔が隠されている絵を選ばせる問題を40問連続で行い、合計スコアを計測するというものです。
計測されたスコアと、被験者の遺伝子(約60万箇所のSNP)を比較したところ、RAPGEF5遺伝子のrs1522280というSNPで有意な関連が確認されました。RAPGEF5遺伝子は、顔の認識力に関係すると他の論文でも報告されている遺伝子です。
対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。
- 顔認識苦手
- 17.3%GG
- 顔認識やや苦手
- 48.6%GA
- 顔認識やや得意
- 34.1%AA