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座りがちな行動 -余暇のテレビ視聴-

原語
leisure-television-watching
研究
オランダ フローニンゲン大学医療センター

この研究のふむふむポイント

座りがちな行動の定義とは?

医学的には「座位行動」と呼びます。近年、座りがちな行動と健康との関連性が注目されており、明確に定義されています。

余暇のテレビ視聴時間と健康には関係があるの?

この研究では、余暇のテレビ視聴が冠動脈疾患になりやすくなることが推定されました。

余暇のテレビ視聴傾向と遺伝子の関係性

オランダのフローニンゲン大学医療センターの研究では、余暇のテレビ視聴と関連のあるSNPがBCL11A遺伝子の近傍に見つかりました。

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座りがちな行動 -余暇のテレビ視聴-についてもっと知る

座りがちな行動の定義とは?

 座りがちな行動とは、①座っている、②横たわっている、③横たわっていてほとんど動かない行動、とされています。エネルギー消費量が1.5代謝当量(1.5 METs)以下である覚醒行動として定義されています(※1)。イギリスでは、成人は1日あたり、5時間座りがちな行動で過ごしているという統計結果があります。テレビ視聴は、余暇の座りがちな行動の代表とされています。

 これまでの研究で、座りがちな行動の時間の増加と、心血管疾患や全死因死亡率の増加に関連があることが示されています。

余暇のテレビ視聴時間と健康には関係があるの?

 青少年期では、過度のテレビ視聴が過体重、肥満、メタボリックシンドロームのリスクを高めるそうです。テレビを観ることは、果物や野菜の摂取量の減少、スナック、砂糖入り飲料および、お持ち帰り食品の摂取量の増加など、結果として全エネルギー摂取量の増加につながります(※2)。

 高齢者は最も座りっぱなしの時間が長い年齢層であり、起きている時間の65〜80%を、座りがちな行動に費やしています。フィンランドの退職者を対象にした研究では、退職前と比較して、退職後の座りがちな行動の全時間は、1日あたり73分増加し、テレビ視聴時間は、1日あたり28分増加したそうです。また、座りがちな行動の全時間が長い人は、健康状態がよくないと報告した人が多かったそうです(※3)。

 オランダのフローニンゲン大学医療センターの研究では、余暇のテレビ視聴が1.5時間増加すると、冠動脈疾患になりやすくなることが推定されました(※4)。

余暇のテレビ視聴傾向と遺伝子の関係性

 オランダのフローニンゲン大学医療センターの研究によると、BCL11A遺伝子近傍に存在するrs10189857というSNPが、余暇のテレビ視聴に関連性が高いことが明らかになりました。研究によれば、rs10189857に「A」を持つ人の方が「G」を持つ人より、余暇にテレビ視聴をしない傾向にあります(※4)。

rs10189857にはAA、AG、GGの遺伝型がありますが、日本人平均と比べると

・AAの遺伝型を持つ人は「余暇にテレビを視聴しないタイプ」
・AGの遺伝型を持つ人は「余暇にほぼテレビを視聴しないタイプ」
・GGの遺伝型を持つ人は「余暇にテレビを視聴するタイプ」

という遺伝的傾向を持っていると言えます。

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研究の詳しい内容を見る

 オランダのフローニンゲン大学医療センターの研究グループは、余暇の座りがちな行動を把握するために、UKバイオバンクの40〜69歳の503,325人を対象としてアンケートを行い、ゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施しました。アンケートの内容は、余暇に「何時間テレビを視聴しますか?」、「仕事以外でコンピューターを何時間使用しますか?」と「運転を何時間しますか?」の3つの質問です。
 解析は、ヨーロッパ人を祖先とする、1日の平均テレビ視聴時間が2.8時間、コンピューター使用時間が1.0時間、運転時間が0.9時間である424,953人(男性47.7%、女性52.3%、平均年齢57.4歳)を対象に行いました。その結果、統計学的に有意差のあるSNPが、テレビ視聴は145個、コンピューターの利用は36個、ドライブ行動は4個見つかりました。
 3つの座りがちな行動間の関連性は、スピアマンの順位相関で検定しました。また、3つの座りがちな行動と、冠動脈疾患や学歴、BMIなど他の表現型との遺伝的相関は、メンデルランダム化(MR)解析を実施しました。

 余暇のテレビ視聴に関連性の高いSNPであるrs10189857は、BCL11A遺伝子の近傍に存在しました。BCL11A遺伝子はC2H2型Zing finger型転写抑制因子をコードし、成体で胎児型グロビン遺伝子の発現を抑制します(※5)。

 この研究から、観察的および遺伝的に、余暇のテレビ視聴による座りがちな行動の増加が、冠動脈疾患の危険因子であるという仮説に対して裏付けを得ることができました(※4)。

対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。

  • 余暇にテレビを視聴しない
    5.5%AA
  • 余暇にほぼテレビを視聴しない
    36.0%AG
  • 余暇にテレビを視聴する
    58.5%GG
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