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乗り物酔い
- 原語
- motion-sickness
- 研究
- 23andMe研究グループ
この研究のふむふむポイント
困った「乗り物酔い」。 なんで起こるの?
とっても楽しみな旅行。しかし、移動時の乗り物酔いが気がかりで…耳にある三半規管は「揺れている」と捉えているのに、目は「揺れていない」と捉えているという矛盾した情報を脳が受け取ることが、乗り物酔いの原因と言われています。
乗り物酔いの個人差、やっぱり遺伝?
統計的に、だいたい3人に1人が乗り物酔いをよく経験しており、残りの2人も何らかの状況で乗り物酔いを経験することがあると分かっています。様々な要因との関連が見つかる中、57%から70%というかなり高い割合で、遺伝的な要因が関係しているとわかってきました。
乗り物酔いしやすい遺伝型とは?
23andMeの研究グループによる研究の結果、乗り物酔いになりにくくなる遺伝型が見つかりました。
乗り物酔いについてもっと知る
困った「乗り物酔い」。なんで起こるの?
とっても楽しみな旅行。しかし、移動時の乗り物酔いが気がかりで…
乗り物酔いは、ドライブ中や船の上、飛行機、遊園地の乗り物、ときにはスキーなど、様々な「揺れ」によって引き起こされます。
代表的な症状としては、めまい、吐き気、嘔吐、頭痛などが挙げられます。人によっては発汗、眠気、唾液の増加、過換気、気分の落ち込みなどの症状も出ることがあります。
耳にある三半規管は「揺れている」と捉えているのに、目は「揺れていない」と捉えているという矛盾した情報を脳が受け取ることが、乗り物酔いの原因と言われています。
そのため「3D映画を観て酔ってしまう」など、実際に自分の体が揺られていないが、視界は揺れているという状況でも乗り物酔いの症状が出ることがあります。
乗り物酔いの個人差、やっぱり遺伝?
酔い止めの薬を手放せない人もいれば、ドライブ中に平気で本が読めるような人もいますよね。(筆者はありがたいことに、後者です)
統計的に、だいたい3人に1人が乗り物酔いをよく経験しており、残りの2人も何らかの状況で乗り物酔いを経験することがあると分かっています。
乗り物酔いの原因となるものは未だに明らかにされていないようなのですが、乗り物酔いのなりやすさについて、以下のような傾向があると分かっています。
・男性より女性のほうがなりやすい
・若者の方がなりやすい
・欧米人よりアジア人のほうがなりやすい
また、乗り物酔いになるかどうかには、状況的な原因もあることが研究よりわかっています。とある実験では、揺れとともに道路の映像を見せられた被験者のほうが、揺れのみを体験した被験者に対して、乗り物酔いの症状を訴える割合が3倍高かったそうです。
このように様々な要因との関連が見つかる中、57%から70%というかなり高い割合で、遺伝的な要因が関係しているとわかってきました。しかし、実際にどの遺伝子が作用しているかについての具体的な証拠は見つかっていませんでした。そこで、遺伝子と乗り物酔いのなりやすさとの関連を調べたのが、23andMeの研究グループです。
乗り物酔いしやすい遺伝型とは?
23andMeの研究グループによる研究の結果、rs705145というSNPに「C」を持っているほど、乗り物酔いになりにくいと分かりました。
rs705145にはCC,CA,AAの遺伝型がありますが、日本人平均と比べると
・CCの遺伝型を持つ人はやや乗り物酔いになりにくいタイプ
・CAの遺伝型を持つ人はやや乗り物酔いになりやすいタイプ
・AAの遺伝型を持つ人は乗り物酔いになりやすいタイプ
という遺伝的傾向を持っているといえます。
研究の詳しい内容を見る
23andMeの研究グループが行ったのは、80,494人のヨーロッパ人の遺伝型と、乗り物酔いのなりやすさとの関連解析(GWAS)でした。
乗り物酔いのなりやすさは、次のようなアンケートによって調べられました。
1.車に乗ると、どのくらいの頻度で乗り物酔いを経験するか
2.これまでに、乗り物酔いを経験したことがあったか
3.子供の頃、車に乗ると乗り物酔いを経験していたか
4.車の中で本を読んでも吐き気を感じないか
また、同研究では、乗り物酔いと他の特徴との関連も調べられました。関連があった特徴は、結果のページでご紹介しています。
対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。
- やや酔いにくい
- 33.9%CC
- やや酔いやすい
- 48.7%AC
- 酔いやすい
- 17.5%AA
参考文献
The Merck Manual — Home Health Handbook
【対象SNP】rs705145