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塩味を好む

原語
salt-taste-preference
研究
カナダ ゲルフ大学

この研究のふむふむポイント

塩は適量を摂取することが大切!

 食塩の過剰摂取は疾患の発症や重症化を助長する可能性があると言われています。その一方で、塩に含まれるナトリウムは、人間が生命活動を行う上で重要な役割を担っています。塩の摂取量は多すぎても少なすぎてもダメで、適切な量を摂取することが極めて重要です。

人間は、生存に必須なミネラル類を「塩味」として認識している?

 人間の味覚には5つの基本味があると言われています。これら5つの基本味は、人間が生きていく上で重要な役割を担っていることをご存知ですか?

塩味を好む遺伝型とは?

 カナダのゲルフ大学の研究グループによると、rs4790522というSNPに「C」を持っていると、「A」を持つ人よりも塩味を好む傾向にあるそうです。

  • 2023年8月31日(木)12:00(正午)
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塩味を好むについてもっと知る

塩は適量を摂取することが大切!

 1日の終わりに飲むビールと塩茹でした枝豆の組み合わせは最高だと思いませんか?枝豆に限らず、塩は食べ物本来の味を引き出してくれる万能な調味料です。

 ところで「塩」と聞いてどんなことを思い浮かべますか?「高血圧」や「脳卒中」など、健康に良くないイメージを持っている方も多いと思います。確かに、現代において塩の過剰摂取は問題視されており、食塩の摂取量と疾患との関連について、世界中で研究が行われています。

 多くの研究から、慢性的な食塩の過剰摂取は、生涯を通じて徐々に血圧を上昇させること、それによって心血管疾患や腎疾患のリスクも上昇させることがわかっています。また、食塩の摂り過ぎは、脳卒中や肥満など様々な疾患の発症や重症化にも影響を及ぼすと言われています(※1,2)。さらに、日本人を対象とした研究では、魚卵の塩辛や魚の塩漬けといった高塩分の食物を摂取すると、塩の用量依存的に胃がんのリスクが増加することが確認されています(※3)。

 それでは、なぜ人間は塩を摂取しなければならないのでしょうか?

 その答えは、人間の生存に必須な栄養素を含むからです。

 人間の生存に必須な栄養素のひとつであるミネラル類には、水に溶けるとイオン化する性質がある物質(電解質)が含まれます。電解質の代表であるナトリウムは、血液などの細胞外液に存在し、浸透圧の調節、筋肉や神経の興奮性の維持など、生命活動の重要な働きを担っています。しかしながら私たちは体内でこれら電解質を生成することができません。そのため人間は、主に食塩(NaCl)という形でナトリウムを摂取しているのです。

 ちなみに、厚生労働省の定める「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人・高齢者におけるナトリウム摂取の目標量は、1日6g未満(食塩相当量)が望ましいとされています(※4)。

人間は、生存に必須なミネラル類を「塩味」として認識している?

 人間の味覚には、塩味、酸味、苦味、甘味、旨味の5つの基本味があると言われています。

 人間が生存する上での必須栄養素には、エネルギー源、タンパク質、ミネラル類などがあります。私たちの脳は、食物に含まれるこれらの栄養素を、エネルギー源である糖は「甘味」、タンパク質の素になるアミノ酸は「旨味」、ミネラル類は「塩味」として認識していると言われています(※5)。

 逆に、生存に悪影響を及ぼす物として、腐敗物や毒物が挙げられますが、多くの腐敗物は乳酸発酵によって酸味を呈すため、脳は腐敗物を「酸味」として認識し、毒物は「苦味」として認識しているそうです(※5)。食体験がまだ乏しい小さい子供が、酸味や苦味のある食物を口に入れてもすぐに口から出そうとするのは、生物に備わっている防御反応と言っても良いのかもしれませんね。ただし人間は、親から子への教育や、周囲の人が食べている姿を学習することで、酸味や苦味を含む食物も、摂取可能な物と認識できるようになるので、成長と共に酸味や苦味のある食物も好んで食べるようになるそうです(※5)。

 このように、人間は味覚の情報を頼りに、生体が必要とする栄養素と、生体に有害な食物の取捨選択をしているのです。

塩味を好む遺伝型とは?

 元々は、生存に必須な栄養素であるミネラルを選択的に摂取するために獲得した「塩味」の味覚ですが、そんな塩味の好みに、遺伝子が関与していることがわかりました。

 カナダのゲルフ大学の研究グループによると、TRPV1という塩味関連遺伝子上にあるrs4790522というSNPに「C」を持つ人は「A」を持つ人よりも塩味を好む傾向にあるとのことです(※6)。

 rs4790522にはCC、CA、AAの遺伝型がありますが、日本人平均と比べると

・CCの遺伝型を持つ人は「塩味を好むタイプ」
・CAの遺伝型を持つ人は「塩味をあまり好まないタイプ」
・AAの遺伝型を持つ人は「塩味を好まないタイプ」

という遺伝的傾向を持っていると言えます。

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研究の詳しい内容を見る

 カナダのゲルフ大学の研究グループは、欧米人を中心とする60人の子供を対象に、塩味、酸味、甘味、旨味、脂味の味覚試験及び苦味のテスト(PTCテスト)を実施しました。

 味覚試験には、「フムス」というペースト状の料理が使用されました。普通味のフムス以外に、塩味、酸味、甘味、旨味、脂味、それぞれの味のフムスが用意され、被験者にはどの味のフムスかわからないようにした上で、普通味のフムスと塩味(もしくは、酸味、甘味、旨味、脂味)のフムスを食べてもらい、どちらが好きかを回答してもらいました。

 味覚試験と遺伝型との関連解析の結果、塩味関連遺伝子であるTRPV1上にあるrs4790522というSNPと、塩味の好みに関連があることがわかりました(※6)。

対象SNPの遺伝型に基づき、以下のタイプに区分されます。

  • 塩味を好む
    54.8%CC
  • 塩味をあまり好まない
    38.5%CA
  • 塩味を好まない
    6.8%AA
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