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愛する子供のために、気をつけたい事は?生まれた時の体重と健康リスクの関係

公開日:2015年2月3日
更新日:2021年4月26日

これから生まれてくる子供のために、気をつけた方が良いことがあるようです(写真:Shutterstock.com)

 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究グループは、低体重で生まれた赤ちゃんは、将来的に2型糖尿病になるリスクが高かったとして、論文を報告しました。

2型糖尿病のリスクに、出生時の体重が関係?

 研究グループは、2型糖尿病になるリスクに影響している様々な要因を調べるため、「女性の健康イニシアチブ観察研究」と呼ばれる研究に参加した女性被験者の中で、新たに2型糖尿病になった1,259人と糖尿病になっていない1,790人について、様々な健康データを比較研究しました。

 結果として、生まれたときに低体重だった研究参加者は、2型糖尿病のリスクが高いという関係性が明らかになりました(※)。

 研究グループの報告によると、生まれたときの体重が3630gから4540gのグループと比べて、2720g未満のグループは、糖尿病発症のリスクが2.15倍高くなっていました。
(*体重の値は米国人女性なので日本人では少し異なることに注意が必要です。)

低体重で生まれると、血糖値が下がりにくくなる?

 研究グループは、何らかの血液検査の値が、生まれたときの低体重と2型糖尿病になるリスクを結びつける目印にならないかについても検討しました。すると出生時に低体重で、その後2型糖尿病になった人のうち、約半分の人が血糖の下がりにくさに関わる「インスリン抵抗性」を伴っていることがわかりました。

 詳細なメカニズムはわからないので仮説にはなりますが、低体重で生まれた赤ちゃんは、血糖値を高く保とうとするメカニズムをもつようになり、それが行き過ぎて高血糖、ひいては糖尿病をひきおこしているのかもしれません。

 生まれる前に赤ちゃんが大きくなりすぎると難産になるともいわれますが、赤ちゃんが小さすぎると今度は成長後の健康に影響を及ぼしかねないということが、今回の研究により明らかになりました。生まれてくる赤ちゃんの将来のためにも、お母さんは健康的な生活を送りたいですね。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Song Y, Birthweight, mediating biomarkers and the development of type 2 diabetes later in life: a prospective study of multi-ethnic women., Diabetologia.


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