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育児・子供

赤ちゃんが離乳食を食べてくれないのは苦味が関係?!

公開日:2020年2月6日
更新日:2020年3月11日

離乳食と遺伝子の関係とは?(写真:Shutterstock.com)

あなたの好みは何味ですか?

 子供であれ、大人であれ、食の好みは味覚と深く関係しています。例えば、生き物は生まれつき甘味を好み、苦味を嫌うことが知られています。
 
 苦味の受け取り方に関して、子供の頃は特に遺伝子の影響が大きいことが分かっています。苦味を受け取る受容体(TAS2R)は25個ありますが(※1)、今回はその中でも最も研究がされているTAS2R38遺伝子について新たに分かったことをご紹介します。

離乳食の受け入れと味覚の関係とは?

 TAS2R38遺伝子は、人によってそのDNA配列が異なる部分があり、苦味に対する感受性の高い人と低い人がいます。例えば、苦味の感受性が高い子供は、低い子供よりも甘いものを好むという報告があります。また、苦味の感受性が低い人は、苦味があると言われるアブラナ科の葉物を生で食べたり、スパイシーな味やアルコールを好んだりすることも知られています。

 今回、イタリア のBurloGarofolo病院母子保健研究所を中心とした研究グループは、生後4~6か月の離乳食を始める乳児131人のTAS2R38遺伝子の苦味感受性と離乳食に関するアンケート(いつから始めたか、いつ頃完食したか、何が好みかなど)の関連解析を行いました。すると、苦味の感受性が低い乳児の約31%は初めての離乳食を完食しましたが、苦味感受性の高い乳児は約13%しか離乳食を完食しませんでした。また、苦味感受性の低い乳児が初めて完食するまでにかかった期間は、苦味感受性の高い乳児に比べ、約4日早かったそうです(※2)。
 
 このことから、苦味の感受性が乳児においても食の好みに影響を与えていることが明らかになりました。

 WHOによると「子供は生後6か月には離乳食を始めるとよい」と推奨されています(※3)。母乳やミルク以外のものを初めて口にした子供がベーっと離乳食を出してしまうのは、食事が嫌だから、というだけでなく舌を上手に使えないこともひとつの要因として挙げられます。また、どうしても食べてくれない、というのであれば今回分かったように苦味の感受性が生まれつき高いのかもしれませんね。

人によって異なる味の好み。あなたの好き嫌いも遺伝子でわかる!?

 赤ちゃんだけでなく、大人になっても食べ物の好き・嫌いは人それぞれですよね。MYCODEヘルスケアでは、今回の「苦味(PROP)の感じやすさ」の遺伝型を調べることができます(なお、遺伝子検査MYCODEは、20歳以上が対象となりますのでご注意ください)。


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監修者
認定遺伝カウンセラー 藤田和博
プロフィール:昭和大学藤が丘病院での先天異常、血液腫瘍の遺伝子・染色体検査の経験を生かし、現在は大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科教授として臨床検査学教育と研究に従事。