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病気・医療

缶飲料で高血圧に!?原因は容器にあるってどういうこと?

2015年02月23日 10時00分

 紙パック、缶、ビン、様々な容器に入って売られている飲み物。韓国のソウル大学の研究グループは、飲み物缶の内側のコーティング剤に使用されている成分が血圧に影響するかどうかを調査しました。


缶ジュースの飲みすぎには気を付けたいですね(写真:Shutterstock.com)

プラスチックの原料として使われる「ビスフェノールA」

 「ビスフェノールA」は、プラスチックの原料として使われており、日常生活のさまざまな製品に使用されています。

 このビスフェノールAは、いわゆる「環境ホルモン」として知られています。環境ホルモンは、体に入ってホルモンのように内分泌に影響を与えるため、正式には「内分泌かく乱物質」と呼ばれています。

 これまでの研究で、内分泌かく乱物質は血圧を高めたり、心拍を遅くしたり、また子宮内膜症やぜんそくをひき起こす原因としても報告されています。

缶ジュースを使った検証

 このビスフェノールA、食べ物の容器にも使われており、カップ麺の発砲スチロール容器に熱湯を注ぐと、汁の中に漏れ出るとして問題になったこともあります。そして、飲み物や缶詰などの食品の缶の内側のコーティング剤にも含まれています。

 2015年、韓国のソウル大学の研究グループは、飲み物の缶のビスフェノールAが血圧に影響するかどうかを検証し、報告しました。

 この検証では、60歳以上の60人を対象として、同じ飲料を2本ずつ、飲み方を変えて3回飲んでもらい、その影響を調べました。1回は「缶2本」、もう1回は「缶とビン1本ずつ」、さらにもう1回は「ビン2本」で、飲む順番の影響が出ないように、3回の順番は人によってばらばらにしました。

缶2本で血圧が上がった

 その結果、飲んだ2時間後に缶とビンで差が出ました(※)。まず尿の中に出てきたビスフェノールAの量は、缶の飲料を飲んだ人はビンの16倍以上になっていました。

 そして、ビン2本を飲んだ時よりも、缶2本を飲んだ時の方が血圧が最大4.5mmHg上昇しました。

 高血圧が一般に140/90mmHgを超えた場合とされていることから考えると、血圧の4.5mmHgは、決して見過ごしてよい小さな差とはいえません。これが、わずか缶飲料2本で起こったというわけです。

 国民生活センターの情報によると、フランスは2015年からビスフェノールAの食品容器への使用を禁止しました。日本では、食品衛生法の規格基準で、溶け出す濃度が2.5ppm以下であることと定めています。

 缶の飲み物は身近なだけに、衝撃的な研究結果でした。多くの缶ジュースは糖分も多いですし、やはり飲みすぎないように気をつけたいですね。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Bae S, Exposure to bisphenol a from drinking canned beverages increases blood pressure: randomized crossover trial., Hypertension.


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