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病気・医療

人生の目標と脳の病気との意外な関係

公開日:2015年6月25日
更新日:2019年10月3日

 アメリカの研究グループは、453人の高齢者を対象にして、人生の目標と脳の病気との関連を調べました。


人生の目標を持つことで得られる効果がある!?(画像:Shutterstock.com)

 病は気からという言葉の通り、気の持ちようで体調が変わったりします。MYCODEトピックスでも以前に「病は気から・・・?「期待感」でパーキンソン病の症状が改善!」という記事をお届けしました。今回は、人生の目標と脳梗塞との関連を調べた研究のお話です。

人生の目標と脳梗塞との関連を調べると・・・

 脳梗塞は、脳の血管が詰まったり狭くなったりすることにより血液の流れが止まり、脳細胞が死んでしまうことをいいます。

 アメリカのラッシュ大学らの研究グループは、研究同意をしてもらった453人の高齢者を対象にして人生の目標と脳梗塞のリスクとの関連を調べました。

 研究対象者が亡くなった後、脳サンプルを採取して脳梗塞があるかどうかを判断し、生前のアンケートでの人生の目標との関係を調べました。

大きな梗塞をもつ人が少ない傾向

 調べた多くの人の脳内には大なり小なりの梗塞がありましたが、調査の結果、人生に関してより大きな目標のある人は、目で見て分かるような大きな梗塞が少ない傾向があることがわかりました(※)。

 ただし、顕微鏡でしか判断できない小さな梗塞の数と人生の目標には関係が見つかりませんでした。

 「人生の目標」って?と思うかもしれません。研究グループによると、人生の目標は、ボランティア、なにか習い事をする、サークル活動等でもよく、動機付けが重要だとしています。なにか一つ挑戦することから始めてみてはいかがでしょうか。


監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

参考文献
Yu L, Purpose in life and cerebral infarcts in community-dwelling older people., Stroke.