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病気・医療

夏といえばスイカ!水分補給だけでなく、血管の病気の予防も期待できる?

公開日:2015年7月27日
更新日:2019年2月26日

 7月27日はスイカの日だそうです。スイカは夏の代表的な食べ物の一つです。水分が豊富なイメージが強いスイカですが、スイカには水分補給だけでなく、中性脂肪や炎症を抑えるなどの効果が期待できるようです。


おいしいだけじゃない、スイカの健康効果とは?(写真:Shutterstock.com)

 今日、7月27日はスイカの日です。
 由来は、スイカの生産グループがスイカの縞模様を綱に見立て、27を「つ(2)な(7)」と読む語呂合わせで制定したと言われています。

スイカの栄養素

 スイカの英名は「watermelon」ですが、その名の通り、スイカの果肉の成分の約95%が水分で、このうち4~6%が糖分です。

 スイカには水分だけでなく、リコピン、カリウム、シトルリン、βカロテンなど、私たちの体に良い影響を与えてくれる成分が豊富に含まれています。スイカを食べることでどのような効果が期待できるのでしょうか?

カリウムやシトルリンの効果

 果皮や果肉には、シトルリンというアミノ酸が、果肉や種子にはミネラルの一つカリウムが含まれています。これらはともに利尿作用があり、利尿によりむくみをとる効果があるとされています。

 カリウムは体内の余分なナトリウムの排出や高血圧予防に関わっていると言われています。また、以前にMYCODEトピックス「やっぱり血液サラサラがいいよね!脳卒中を効果的に防ぐにはあのミネラルを」でご紹介しましたが、カリウムを多くとっている人は少ない人よりも脳卒中になる可能性が低くなるという研究結果が報告されています。

ラットでスイカの効果を実証

 赤肉スイカの色素に含まれているリコピンは、抗酸化物質の一つで、活性酸素による細胞やDNAのダメージを抑える働きがあります。

 ラットを用いた研究ですが、スイカの効果を調べた研究があります。アメリカの研究グループは、ラットにスイカパウダーを与えた時の脂質や炎症、抗酸化能力に対する効果を調べました。

 その結果、スイカパウダーを含んだエサを食べたグループは、スイカパウダーを食べていないグループより血中の中性脂肪やコレステロールが低いことがわかりました(※)。

 人工的に炎症を起こしたラットにスイカパウダーを与えた場合、炎症の症状を調べるC反応性蛋白の値も低くなることが明らかになりました。

 さらに、スイカパウダーを食べることにより、ラットの抗酸化能力が高まっている可能性も示されました。

 以上のように、スイカには中性脂肪の蓄積や炎症、酸化ストレスによる障害を抑える効果が期待できるようです。スイカはそのまま食べるというイメージが強いですが、意外にもいろいろな料理に応用できるようです。暑い夏にスイカを食べて、ひとときの涼を感じてみてはいかがでしょうか。

 遺伝子検査MYCODEでは、「中性脂肪(トリグリセリド)値」や「炎症反応の指標(C反応性タンパク質値)」の遺伝的な傾向を調べることができます。あなたもチェックしてみましょう!





監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

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