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病気・医療

がん研究の成果は出ているの? がん生存率の推移を国際的に比較した結果とは?

2015年02月04日 08時00分

がん研究についてはMYCODEトピックスでも取り上げており、その発展には目を見張るものがあります。この目覚しい研究の進展が本当に「がんになってからの生存率」の向上につながっているのか、報告がありましたのでご紹介します。


Beach bird ed+schipul

写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真 Ed Schipul/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 2.0 一般)

「がんの5年生存率」って?改善してるの?

「がんの5年生存率」という言葉をご存知でしょうか?これは、がんの治療開始から5年間生存している人の割合を示している数値だそうです。

1995年から2009年までの期間において、世界の国々におけるがん5年生存率の動向が明らかにされました。がん治療において、医療の進歩は著しく進んでいるといわれていますが、果たしてがんの5年生存率は大きく改善しているのでしょうか。そして、国や地域による生存率の差は少なくなっているのでしょうか。

この疑問に対して、2014年11月26日、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院を中心とした研究グループが調査結果を報告しました。彼らは67カ国、279グループの登録データから、2570万人の成人、7.5万人の子どもについて1995年から2009年末までの15年間の間のがんにおける5年生存率の調査を実施しました。

調査したがんは、成人の消化器系(胃、大腸など)のがん、肝臓がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、前立腺がん、成人と子どもの白血病です。

大腸がん、乳がんは改善、しかし肝臓がん、肺がんは依然として低い

その結果、大腸がん、そして乳がんについては着実に生存率は上昇しており、2005-2009年の5年間において22カ国以上で60%以上、乳がんの生存率は17カ国で85%以上という高い値を示していました。

その一方で、残念な事に肝臓がん、肺がんは生存率はほとんど上がらず、ヨーロッパのいずれの国でも20%未満、北米では15から19%、モンゴルおよびタイでは7~9%と世界的にも非常に低率でした。

国や地域によって生存率が異なるがんもまだまだ多い

国や地域によって大きな差があったのは、前立腺がんと子宮頸がんでした。前立腺がんの生存率は多くの国で10~20%くらいは上昇してはいたものの、アメリカなどでは95%程度に対し、タイなどでは60%以下となっており大きな地域差がありました。また、子宮頸がんの生存率についても国によって50%未満から70%以上までの大きな幅があり、この差自体は1995年からあまり改善はしていないようです。

他にも、胃がんは他の国々が40%未満なのに対し日本と韓国は54-58%と高かったものの、成人の白血病については、ほとんどの他の国より日本および韓国(18-23%)が低いようです。

一人ひとりの関心と正しい健康情報を知ることが大事

国や地域による生存率の傾向は、遺伝や生活習慣的なものもあるのかもしれませんが、がんの初期の段階での正しい診断や適切な治療を行う機会に接しやすいかどうかが大きく関与していると考えられます。今回の調査のように、国家横断的にがんの生存率に関して継続的な監視をしていくことで、今後のがん研究や治療、ヘルスケアに関わる国の政策においてどのような課題があるのかが見えてきそうです。

私たち一人ひとりが関心をもち、正しい健康情報を知ることが、がんに対する対策として、とても重要になってくるでしょう。


参考文献

Allemani C et al. Global surveillance of cancer survival 1995-2009: analysis of individual data for 25 676 887 patients from 279 population-based registries in 67 countries (CONCORD-2).
Lancet. 2014 Nov 26. pii: S0140-6736(14)62038-9. doi: 10.1016/S0140-6736(14)62038-9.

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