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手ごわいすい臓がん、早期発見がカギ!
親子ですべてのがんに気をつけて
早期発見が難しく、なかなか手ごわいすい臓がん。どうやら遺伝傾向があるらしいのですが、その実体は解明されていません。しかも、遺伝の影響を受けるのはすい臓がんだけではないらしいということが、このたび判明しました。

すい臓がんは遺伝傾向があるようですが・・・(写真:Eric Ward)
手ごわいすい臓がん
すい臓がんは、初期にはほとんど症状が無いため早期発見が難しく、また 転移をおこしやすいため、消化器がんの中で治りにくいがんの代表です。 早期発見や早期治療のために、すい臓がんと遺伝の関係がいろいろ研究されて いますが、まだ色々な事が不明です。
他人事とは思えない!すい臓がんは親子でなりやすい
しかし、親子ですい臓がんになっている人たちがある程度の数いるため、 すい臓がんの発症には何か遺伝子が関与していると思われています。この人たちは「家族性すい臓がん」とくくられ、「突発性すい臓がん」の人たちと区別されて比較研究されています。今回、オーストラリアのガルバン医学研究所の研究グループは、この両者を比較して思いがけないことを発見し、がんの専門誌で報告しました。
親子ですい臓がんだとそれ以外のがんの発生リスクが2倍に!
研究グループは、すい管腺がんという種類のすい臓がん患者766人を対象に調査を行いました。その結果、親子・兄弟・姉妹のどれかの関係に当たる人がすい臓がんでそれが家族性だった場合、突発性だったとき の2倍、自分がすい臓がん「以外の」がんになるリスクが高くなる事がわかりました。 特に多かったのは、悪性黒色腫(ほくろのがん)と子宮内膜がんでした。
今後、すい臓がんと遺伝の関係が明らかになり、早期診断がつくようになれば、ついでに他のがんの早期診断もできる可能性がありますね。
ちなみに、突発性すい臓がんの発症は「喫煙」と強く関係していたそうです。 たばこは百害あって一利なし!皆さん禁煙を心がけましょう。
参考文献
Humphris JL et al. Clinical and pathologic features of familial pancreatic cancer.
Cancer. 2014 Dec 1;120(23):3669-75. doi: 10.1002/cncr.28863. Epub 2014 Oct 14.