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「鬼は~外!」年の数だけ豆を食べたら緑茶をすすってがんもお外へ!
がんの転移や再発は、「がん幹細胞」と呼ばれる、がんの「女王蜂」のような細胞が握っているようだという事が分かってきています。今、がん幹細胞をやっつける薬を開発する研究が世界各国で精力的に行われています。

葛飾北斎による節分の鬼退治の絵
がんの女王蜂「がん幹細胞」
がん研究の進歩により、いろいろな仕組みでがんをやっつける、様々な種類の抗がん剤が登場してきています。それなのに、がんの転移や再発との戦いが終わる日は、まだ先のように思えます。どうしてなのでしょう?これまでの研究により、その謎を解くカギは、「がん幹細胞」と呼ばれる、がんの「女王蜂」のような細胞が握っているようだという事が分かってきています。
がん幹細胞は、次々にがん細胞を生み出し、しかも抗がん剤も効かない特殊な細胞です。1997年に白血病で見つかったのを最初とし、その後様々ながんで発見されました。今、がん幹細胞をやっつける薬を開発する研究が世界各国で精力的に行われています。
ダイズや緑茶のアノ成分ががん幹細胞を食い止めた!
その成分は「フラボノール」。エストニアの予防NGOの研究グループは、がん幹細胞をやっつけるヒントを探るため、天然、または人工の「フラボノール類」の効果について、過去のデータを検証しました。フラボノイドは、イソフラボンやカテキンなど、ダイズや緑茶に含まれる物質で、ポリフェノールの一種です。
すると、フラボノール類ががん幹細胞を食い止めることが確認出来たのです。フラボノールは、がん幹細胞が移動し、転移を開始するのを止めました。また、フラボノールがあると、抗がん剤が効きやすくなる効果もあると分かりました。
研究グループは昨年11月、その結果を幹細胞の研究および治療分野の国際誌で報告しました。フラボノール類は、今後のがん治療にうまく使えるかも知れませんね。
もうすぐ節分。念のため豆まきの後は、年の数だけ豆を食べ、温かい緑茶でもいただいておくとしましょうか。
参考文献
Sak K et al. Role of Flavonoids in Future Anticancer Therapy by Eliminating the Cancer Stem Cells.
Curr Stem Cell Res Ther. 2014 Nov 26.