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病気・医療

本当?ケーキを食べない方が糖尿病リスクが増える?

公開日:2015年1月15日
更新日:2021年8月20日

ケーキやクッキーは体に悪そうなイメージがありますが・・・(写真:Shutterstock.com)

ケーキやクッキーと糖尿病リスクの関係

 糖尿病には2つのタイプがありますが、今回は、主に生活習慣が要因となる「2型糖尿病」についてです。この2型糖尿病、ケーキやクッキーをたくさん食べる人に多そうなイメージではありませんか?

 ところが、ドイツのポツダム-レーブリュッケ人類栄養学研究所を中心とした研究グループは、ケーキやクッキーを食べない人の方が2型糖尿病になる確率が高いという、驚きの研究結果を報告しました。

脂肪の多い食べ物はマーガリンだけが弱い関連

 研究グループは、脂肪の多い食生活が2型糖尿病のリスクを高めるといわれている点に着目しました。ヨーロッパ8カ国、合計3万人ほどの人々を対象に、植物油、バター、マーガリン、ナッツ、種、そしてケーキ、クッキーの摂取量と2型糖尿病の発症率の関係を調査しました。

 その結果、調査した脂肪が多い食べ物のうち、唯一、マーガリンは、2型糖尿病の発症率と弱い関連があったものの、植物油、バター、ナッツ、種などを食べている量と2型糖尿病の間には関連性は見られませんでした(※)。

 そして意外なことに、ケーキやクッキーをほとんど食べない人において、2型糖尿病の発症率が高かったことがわかりました。理由はわかっていませんが、今後の研究で解明されることを期待しています。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Buijsse B, Consumption of fatty foods and incident type 2 diabetes in populations from eight European countries., Eur J Clin Nutr.


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