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科学的に証明された、胃がんのリスクを減らす4つの健康生活習慣とは?

公開日:2015年3月3日
更新日:2021年1月22日

 健康的な生活を送ると本当に病気にならないのでしょうか?スペインの研究グループ「健康的な生活」と「胃がんリスク」との関係を明らかにしました。


健康的な生活により、胃がんリスクを下げることができるのでしょうか(写真:Shutterstock.com)

健康的な生活と胃がんリスクの関係を調査

 健康的な生活を送ることが大切、とよく言われますが、健康的な生活を送ると病気にならないという証拠はあるのでしょうか?

 2014年、スペインの研究グループは、喫煙、飲酒、食事、体重のように改善できる生活要因を「健康生活指数」として個人の健康の度合いを得点化し、「健康的な生活」と「胃がんになるリスク」との関係を調査しました。

 「欧州におけるがんと栄養に関する前向き研究」と呼ばれる今回の研究は、参加者約46万人、平均約11年間に及ぶ、大規模な追跡調査となりました。

 健康生活指数は、
 ・喫煙(頻度や本数が少ないほど得点が高い)
 ・飲酒(頻度や量が少ないほど得点が高い)
 ・食事の質(論文では「地中海料理」を食べていると得点が高い)
 ・BMI値(もちろん低いほうが得点が高い)
 から計算をして、得点を出しました。

3分の2の胃がんは防げたはず!?

 調査中に、参加者のうち662人が胃がんにかかりました。胃がんにかかった人とかからなかった人の健康生活指数を比較して分析したところ、次の結果がわかりました。

 まずは健康生活指数が最も高かった人たちの集団は、最も低かった人たちの集団よりも、胃がんにかかるリスクが51%も低いという結果が得られました(※)。胃がんの中でも特に、胃噴門部という胃の入り口に当たる部分の腺がんのリスクは77%も減少していました。

 また、実際に胃がんに罹患したケースの中で、がんの原因が生活習慣によるものだった可能性はどの程度であったかを解析したところ、胃腺がん全体の5分の1、胃噴門部腺がんの3分の2が生活習慣によると推測され、健康な生活を送ることにより「防げたはずのもの」であったという結果になりました。

胃がんを予防する4つの健康生活習慣

 研究グループは、胃がんのリスクを減らすために、以下の4つの生活習慣を提案しています。

1)禁煙
2)節酒
3)健康的な食生活
4)標準体重の維持

 どうでしょう。難しいでしょうか?


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Buckland G, Healthy lifestyle index and risk of gastric adenocarcinoma in the EPIC cohort study., Int J Cancer.