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病気・医療

症状がなくてもピロリ菌は除菌するべき?

2015年04月13日 09時00分

 最近、認知度が上がってきたヘリコバクター・ピロリ菌。英国の研究グループは、ピロリ菌を保菌した場合、症状が出ていなくても除菌により胃がんのリスクを下げることができると報告しました。


Pylori

ピロリ菌の電子顕微鏡写真。(写真:Yutaka Tsutsumi)

 国内の40歳~89歳の方が亡くなる要因の1位はがんです。部位別にみたときに、胃がんは男性で第2位、女性で第3位となり、注意が必要です。
 胃がんの発生については、多くの研究が行われていて、喫煙、多量の塩分摂取や飲酒、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染などが原因となると考えられています。
 英国の研究グループは胃がんの発生の原因となるピロリ菌の除菌の効果を検証し、その結果をBMJ誌で報告しました。

ピロリ菌感染=胃がんではない

 ピロリ菌の感染は、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍だけでなく、胃がんなどの発生につながることが知られています。ただし、ピロリ菌に感染したからといって、すべての人が胃がんになるわけではありません。

 研究グループは、胃がんの発生に対するピロリ菌の除菌処置の効果を検証しました。そこで、ピロリ菌に感染しているが、まだ症状が出ていない健康な人を対象にして、除菌のために7日間薬を飲み続けた人とニセ薬もしくは処置をしなかった人の少なくとも2年以上経過を観察した診断結果を比較しました。

症状がない人のピロリ菌の除菌効果は?

 その結果、ピロリ菌の除菌処置をうけた3294人のうち、1.6%にあたる51人が胃がんとなりました。一方、ニセ薬もしくは治療を行っていない3203人では、2.4%にあたる76人が胃がんとなっていました。
 症状が出ていない場合でも、ピロリ菌の除菌処置をすることで胃がんの発症リスクを下げることができることがわかりました。

日本人は胃がんになるリスクが高い

 この論文では生涯を通しての胃がんになるリスクが示されています。欧米人のリスクが1.2-3.1%であるのに対して、日本人男性では19.2%、女性では12.8%とリスクが高くなっています。
 50歳以上の人は、約70%以上の人がピロリ菌に感染しているといわれているので、特に注意が必要です。胃痛、胃もたれ、不快感、食後に腹部の痛みがある方は、一度病院で診てもらったほうがいいかもしれません。


参考文献

Ford AC et al. Helicobacter pylori eradication therapy to prevent gastric cancer in healthy asymptomatic infected individuals: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials.
BMJ. 2014 May 20;348:g3174. doi: 10.1136/bmj.g3174.

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