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病気・医療

ビタミンCで胃がんのリスクが減少!?マルチビタミンのサプリには効果なし・・・?

公開日:2014年12月13日
更新日:2021年3月15日
美容には欠かせないビタミンが胃がん予防にも効果あり!?(写真:Shutterstock.com)

美容に欠かせない「ビタミンC」は病気にも?

 ビタミンCは、きれいなお肌のもとであるコラーゲンの合成に必要なビタミンです。その他にも鉄の吸収を高めたり、しみのもと「メラニン色素」の合成を抑えたり、美容には欠かせないビタミンとして有名です。

 そんなビタミンC、皆さんはどんな食品に含まれているかご存知でしょうか?多くの人は、酸っぱい!レモン!というイメージをもたれているかと思います。もちろん柑橘類にも多く含まれているのですが、赤ピーマンや、意外なものでは明太子などにも多く含まれているのです。

 今回はこのビタミンCが、胃がん予防にも効果がありそうだという報告を2つ、ご紹介します。ひとつは50万人規模の調査、もうひとつは40年間にわたる調査で、いずれも大規模な調査の結果です。

ビタミンCのサプリメントと胃がん

 米国国立がん研究所の研究グループは、約50万人について、ビタミンやミネラルのサプリメントとがんの発症に何らかの関係があるかどうかを、11年間にわたり調べました。

 その結果、ビタミンCのサプリメントを飲んでいたグループは、飲んでいなかったグループに比べ、胃がんにかかっている人が2割ほど少なかったということがわかりました(※1)。しかし、マルチビタミンサプリを飲んでいた場合は、この胃がんの予防に効果はみられなかったそうです。
 
 興味深いことに、亜鉛・鉄・カルシウムを飲んだ場合には、逆に胃がんになる人が増えているということも合わせて判明しました。

ビタミンCが多く含まれる野菜・果物食でも胃がんリスクが減少

 ポーランドの国立食品栄養研究所の研究グループが、1960年から2006年までの、ポーランドにおける食事と胃がん発症との関係を調べて報告しました。こちらも長期に渡る大規模な調査です。

 その結果、野菜や果物を普段から多く食べれば食べるほど、胃がんになりにくいことがわかりました(※2)。これは、野菜や果物にはビタミンCが多く含まれているのが関係しているものと考えられています。また、ビタミンCのサプリメントを飲んでいた人でも胃がんになりにくい傾向が確認され、やはりビタミンCが胃がんの予防に効果的であろうことが示されました。

 以上の2つの結果から、ビタミンCは胃がん予防に良いといえるのかも知れません。日々の生活の中で少しずつ意識して、健康に長生きしていきたいものですね。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

※1. Dawsey SP, A prospective study of vitamin and mineral supplement use and the risk of upper gastrointestinal cancers., PLoS One.
※2. Jarosz M, Impact of diet on long-term decline in gastric cancer incidence in Poland., World J Gastroenterol.


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