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病気・医療

【医師によるコラム】こむら返りは熱中症の前兆?

2015年06月03日 10時30分

 これからの季節に注意しなくてはいけないのが熱中症です。医師の石原先生に熱中症がおこる原因や対策、夏場の運動で起こりうる危険性についてご紹介いただきました。


熱中症になりやすい環境で起こったこむら返り、注意しなければならない理由とは?(写真:Shutterstock.com)

 医師の石原藤樹先生によるスペシャルコラムをお届けします。今回はこれからの季節に注意が必要な「熱中症」について書いていただきました。


高温多湿の状態で引き起こされる熱中症

 こんにちは。六号通り診療所の石原です。

 急に気温が上がり、湿度も高くなって、熱中症の起こりやすい季節になりました。それで、今回は「熱中症」の話です。

 熱中症というのは、人間の体が高温多湿の状態に置かれることにより、引き起こされる病気のことで、その重症度によって、軽症のⅠ度から重症のⅢ度という3つに区分されています。

一番軽い熱中症の症状はこむら返り、立ちくらみ、めまい

 さて、このうち一番軽症のⅠ度の熱中症とは、こむら返りや立ちくらみ、めまいなどの症状のことです。そのため以前は熱けいれんと呼んでいました。

 これは主に脱水と電解質のバランスの乱れによる症状です。人間の身体は一定の体温に保たれるような仕組みがあり、その機能は一定の体温の範囲でのみ、可能となるものです。

 従って、高温多湿の環境にさらされれば、それに対応する必要があります。

熱中症のサインが出たら涼しい場所で休憩をとり水分補給を

 人間が高温から身を守る主な手段は、血液をなるべく皮膚の表面に分布させて、熱を外に逃がし、汗をかいて水を外に出して、体温を下げることです。

 ただ、汗を多くかけば、当然身体は脱水になり、血液の量も減ります。この時に水分や電解質が補充されなければ、もう熱を逃がすことが出来なくなり、状態は悪化するのです。

 この血液が足りない状態の最初のサインが、こむら返りやめまいの症状です。従って、このサインを見逃さず、涼しい場所で休憩を取って、スポーツドリンク等の電解質飲料で水分を補充すれば、症状は速やかに改善し、熱中症の進行は防げるのです。

熱中症になりやすい環境で起こったこむら返り。症状が治っても十分な休憩が必要

 ただ、往々にして、こんなことがあります。

 小学生のお子さんが、夏の盛りにサッカーの試合をしています。途中でこむら返りを訴えるお子さんがいて、先生はそのお子さんを日陰で休ませ、水を飲ませて、足にマッサージをします。

 そのお子さんはすぐに回復するので、よしそれじゃ、と先生はそのお子さんを試合に戻します。

 ところが・・・

 その10分後にそのお子さんは意識を失い、倒れてしまうのです。一体、何が悪かったのでしょうか?

 そう、先生はただの疲労によるこむら返りと判断したのですが、これは実はI度の熱中症だったのです。一時的に回復したように見えても、熱中症自体が治った訳ではありません。その状態で運動を再開すれば、当然より状態は悪化するのです。

 熱中症の疑われる環境で、運動中にこむら返りが起こったら、たとえ症状はすぐに改善しても、決してすぐに運動を再開してはいけません。

 皆さんもご注意下さい。


執筆者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

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