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病気・医療

みかん?加湿器?風邪予防のあるあるを医師が解説

2020年12月24日 09時00分

あなたの風邪予防法は何ですか?(写真:Shutterstock.com)

 風邪が流行り始めるとさまざまな風邪予防に関するトリビアを耳にすることが多くなります。例えば「空気の入れ替えのために窓を開けよう」「風邪をひいてもお酒を飲めば、アルコール消毒で治せる」など。理にかなっているような、そうでないような。

 信じていいものかと訝しげになりますが、ホントのところはどうなのでしょうか。医師の石原先生に聞いてみました。

医師に聞く!風邪にまつわるトリビア7つのギモン

Q1:お風呂の温度で風邪の予防効果が変わる?

A:医学的なエビデンスはない。

 自分が心地いいと思う温度で入浴を。41度ぐらいの湯温で入浴をすると免疫機能が活性化されて風邪をひきにくくなるということがよく言われますが、医学的なエビデンスはあまり多くはないようです。

(石原先生)「発熱時に人の体内で起きていることを考えれば、体温を高めると免疫機能が活性化するのはその通りです。しかし、入浴に関しては身体の外から温める上に、湯船から出たら冷えることを考えると免疫機能を持続的に高めるとは言えません。それよりも自分が心地いいと思う温度で入浴するのがいいでしょう。」

 入浴によるリラックス効果でストレスを解消する、程度に考えておいたほうがよさそうです。

Q2:空気の入れ替えは風邪の予防に意味がある?

A:空気の入れ替えは効果的。

 『せっかく暖房が効いているのに、窓を開けて空気を入れ替えるなんてひどい』と思ったことはありませんか?実は風邪予防の観点からみると理にかなっているようです。

(石原先生)「乾燥すると風邪の原因となるウイルスが滞留しやすい状態になるので、空気の流れをつくることは意味があるでしょう。また、ハウスダストや花粉などが鼻や喉の粘膜についてアレルギー性の炎症を引き起こし、弱った粘膜にウイルスが感染することによって風邪をひくことも考えられます。」

 寒がりな人にとっては少し辛いですが、空気の入れ替えは重要なようです。窓を開けてもいいように、少し厚着をするなど対策をしましょう。

Q3:湿度を高めるとインフルエンザにかかりにくくなる?

A:適切な加湿は風邪のウイルス感染には有効だが、インフルエンザに関してはまだわからない点も多い。

(石原先生)「一般的に湿度は60%程度を維持することで、風邪を引き起こすウイルス感染の予防効果が期待できるとされていますが、インフルエンザに関してはまだ解明されてないことが多いのです。例えばB型インフルエンザはあまり湿度に影響されないなどの報告もあるため、加湿だけで予防できるとは言えません。日頃の手洗いや空気の入れ替えも合わせて行いましょう。」

 乾燥する時期は加湿器を稼働させた方がよさそうです。ただしお手入れは忘れずに。汚れた水や機器に雑菌がついていると、反対に菌をばらまいてしまいます。

Q4:熱が出たからと、おでこに手を当てて測れるの?

A:多少はわかるかもしれないが、体温計を使った方がベター。

 触診は医療機関等でも一般的に行われていることなので、経験から測ることはできるかもしれません。しかし、体温は人それぞれです。熱が高いなと思ったら体温計で計測した方がベターのようです。

Q5:風邪のウイルスをアルコール消毒できるの?

A:消毒に使うアルコールであれば効果はあるかもしれないが、お酒では無理。

(石原先生)「80%を超える高濃度のアルコールにはインフルエンザウイルスなどの消毒効果がありますが、もちろん飲料用ではないので、現実的ではありませんね。飲酒用のアルコールは濃度が低いので、消毒効果は期待できないでしょう。」

Q6:柑橘類は風邪の予防効果がある?

A:ビタミンCの風邪予防効果は一定ありそう。風邪をひいた時に食べるのは要注意。

 風邪予防といえばビタミンCがよく聞かれますが、実は70年近く前から議論が交わされているものなんです。現状では一定の予防効果はありそう、という論調の様子。

(石原先生)「予防効果は多少はありそうなので、適正量であれば食べてもいいでしょう。ただし、風邪をひいてしまったら自分の体調と相談するようにしましょう。柑橘類は消化にあまりよくないため、腹痛や下痢などの時はむしろ症状が悪化する可能性があるので注意してください。」

 風邪の時はあまりおすすめできないのは意外と知らないのでは?ぜひ参考にしてみてください。

Q7:加齢により風邪の治りが悪くなるのか?

A:身体機能の低下により風邪が長引く傾向にある。

 『歳をとってから風邪の治りが悪くなった気がする』という話を聞いたことがありませんか?前までなら熱風邪ぐらい1日休めば平気だったのに、なぜか1週間ぐらい風邪の症状が長引くなんてことも。これには身体の機能が関係していそうです。

(石原先生)「加齢に伴い免疫力が下がると言われていますが、感染症の重症化は高齢者や幼児です。身体機能の衰えが免疫機能にも関係している可能性は否定できません。また、単に風邪だけでなく、合併症を併発している可能性もあるので、あまりにも治りが悪いようであれば医療機関で相談するようにしましょう。」

風邪を100%予防するのは難しい

 風邪の原因とされるウイルスは200種類以上と言われています。一番の予防はウイルスに対して自身が免疫をもっていることですが、調べるのは難しく、かかる時はどうしてもかかってしまいます。

 そのため、日頃からできる手洗いや換気、加湿をして、食事のバランスや簡単な運動を取り入れて対策するのがよさそうです。

 万が一風邪をひいてしまっても、1週間程度で回復します。仕事や家事で忙しいとは思いますが、辛い時は無理をしないことが鉄則ですよ。10日ほど症状が続くようであれば風邪ではなかったり、病気を併発している可能性があるので医療機関を受診するようにしてください。



kencom編集部

監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

記事提供元
MYCODEの運営会社・株式会社DeNAライフサイエンスのグループ会社であるDeSCヘルスケア株式会社が提供する、ヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」掲載記事より「みかん?加湿器?風邪予防のあるあるを医師が解説」を一部改編。
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