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病気・医療

【医師によるコラム】突然死をどう予防すれば良いのか?

2016年03月25日 15時00分

 医師による特別コラム、第10弾です! 突然心臓が停止する突然死は年齢に関係なく少なからず起こる可能性があります。その原因はあまりわかっておらず、対処は遅れることがあります。そこで、米国の研究グループは突然の心停止の兆候と思われる症状がないか調査しました。


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写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:Adam Coppola)

 特別企画、北品川藤クリニックの石原藤樹先生によるスペシャルコラムをお届けします!今回は「突然死」について書いていただきました。
 これまでの石原先生の記事を読んでいない人はこちらからどうぞ!
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 こんにちは。北品川藤クリニックの石原です。
 高齢者でなくても、突然死というのは少なからず起こることがあります。若年から中年層での突然死の多くは、突然心臓が停止することにより起こります。
 こうした突然死の多くは、日常生活の中で、また睡眠中に、運動をしている時やその後など、時と所を選ばずに起こります。その原因は多くの場合不明で、対処は遅れることが多く、アメリカのデータでは、その救命率は7%にとどまっているそうです。

突然の心停止を予測することはできるか?

 原因は推測でしかない場合が多いのですが、生まれつき血管に弱い部分があって、そこが裂けて心臓の血管が詰まったり、何等かの理由により、血液の中に血栓が出来て、それが心臓の血管に詰まったり、心臓の筋肉に病気があって、重症の不整脈が起こることなどが、可能性としては想定されています。

 それでは、この突然の心停止を、予測することは出来ないのでしょうか?
 もし何等かの予兆のようなものが、心停止の前の存在しているのだとすれば、それをチェックすることにより、突然の心停止を予測して予防することも、不可能ではないかも知れません。

前兆として最も多かったのは胸部痛

 今年のAnnals of Internal Medicine誌に、それを検証した興味深い研究が掲載されていました。アメリカにおいて、35歳から65歳の年齢で突然の心停止を来した、839名の患者さんの病歴を検証し、その発作の前4週間以内に、何等かの兆候と思われるような症状があったかどうかと、もしあればそれにどのように対応したのかを、比較検証しています。
 登録された患者さんの平均年齢は52.6歳で、75%が男性でした。

 その結果、発作の前4週間以内に、何等かの症状のあった患者さんは、全体の51%に当たる430名で、症状に男女差は認められませんでした。症状として多かったのは、胸部痛で、症状のあった患者さんの46.3%に認められ、続いて呼吸困難、動悸や意識消失の順でした。
 こうした症状の93%は、その後の心停止の24時間以内には、一旦改善していました。

症状を放置したときの生存率はわずか6%

 多くの症状のある患者さんが、その症状を放置していて、救急の電話を利用したのは、19%に過ぎませんでした。そして、症状のあった時点で救急コールをした患者さんの生存率が、32.1%であったのに対して、症状を放置した患者さんの生存率は6.0%で明確な差が認められました。

 つまり、突然の心停止が起こる前には、胸部痛のような症状が起こることが、ほぼ半数には認められていて、それが一旦改善した後で発作が起こるので、症状の時点でまずは救急受診を行った方が、発作時の救命率は上がる可能性が高い、ということになります。
 ただ、全ての症状で救急病院を受診したり、救急車を呼ぶというのは、行き過ぎではないかと思います。

 これは私の考えですが、それまでにあまり経験したことのないような、胸の痛みや圧迫感、息苦しさは動悸などを感じた時には、それがすぐにおさまっても、医療機関を必ず受診することをおすすめします。軽い症状ですぐにおさまれば、救急車で受診する必要は必ずしもないと思います。

 今後スマートフォンなどを活用した、脈拍や血圧などのモニタリングが、普及するようになると、症状にそうしたデータを加味しての予測が、将来的には可能になるのかも知れません。

参考文献
Warning Symptoms Are Associated With Survival From Sudden Cardiac Arrest.

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