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病気・医療

【世界肝炎デー】今年のテーマは「肝炎予防、今すぐ行動しよう」です

公開日:2015年7月28日
更新日:2019年5月17日

 7月28日は世界肝炎デーです。ウイルス性肝炎は正しい知識を身につけ、予防行動をとることで防ぐことができる病気です。この機会にウイルス性肝炎について考えてみませんか。


ウイルス性肝炎の予防には正しい知識と行動が必要です。(画像:Shutterstock.com)

世界肝炎デーとは

 7月28日は世界肝炎デーです。

 ウイルス性肝炎の予防には世界的レベルでの正しい知識と予防意識の啓発が必要と考え、WHO(世界保健機関)は、7月28日をWorld Hepatitis Day(世界肝炎デー)と定めました。

 ウイルス性肝炎は主に肝臓に感染し、炎症を引き起こします。沈黙の臓器と言われている肝臓を攻撃するため、感染に気付かず、自覚症状がないまま進行し重篤化することもあります。

 世界ではウイルス性感染によって年間145万人の命が奪われており、世界的健康課題のひとつになっています。

肝炎ウイルスの種類

 肝炎ウイルスには、A型、B型、C型、D型、E型などがあります。

 A型とE型肝炎ウイルスは主に水や食べ物を介して感染し、B型、C型、D型肝炎ウイルスは主に血液や体液を介して感染します。

 世界全体では2.4億人がB型肝炎に、1.5億人がC型肝炎に感染していると推定されています。日本国内では、感染者は、B型が110万人~140万人、C型が190万人~230万人いると推測されています。

B型肝炎
 B型肝炎ウイルスに感染している人の血液や体液を介して感染によって発症する病気です。母親から子への感染とそれ以外の感染(性行為感染など)があります。

 B型肝炎ウイルスに対して有効なワクチンがあります。

C型肝炎
 多くは輸血、血液製剤、集団予防接種における注射針や刺青やピアス等の針の使い回しによって感染すると考えられています。

 感染すると多くの人が慢性肝炎を発症し、肝硬変、肝がんと進行しますが、人によって進行度合いが異なります。

 C型肝炎の治療薬は劇的に開発が進んでおり、複数の有効な治療薬が使用されています。

感染から身を守るために

 ウイルス性肝炎は正しい知識を身につけ、予防行動をとることで感染を防ぐことが可能な病気です。日常生活において以下のような基本的な注意事項を守っていれば、感染を防ぐことができるそうです。

・歯ブラシやカミソリなど、血液が付着する可能性のある器具を共有しない
・薬物の注射針を共有しない
・性的感染の予防対策を行う

監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

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