• アレルギー
  • 花粉症
  • 予防法
病気・医療

体質改善できる治療法もある?掃除も効果的?秋冬アレルギーに要注意

2021年10月14日 09時00分

秋冬アレルギーの予防法や、病院でのアレルギー治療法についてお伝えします(写真:Shutterstock.com)

 市販薬はたくさん売っているけれど、飲むと眠くて仕事に支障が・・・。そんな風に困っている人もいるのではないでしょうか。最新のアレルギー治療法について、アレルギー治療を多く手掛けるふたばクリニック院長の橋口一弘先生に解説いただきました。

アレルギーは病院でどのような治療が受けられる?

風邪との見分け方は?

 鼻水などのアレルギー症状は一見、風邪と見分けがつきづらいですよね。特に市販の風邪薬には抗ヒスタミン薬といって、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの働きを抑える効果があるものがあります。こういった薬の効果が現れ、アレルギーに気が付いていない人もいるかもしれません。

 風邪と見分けるポイントは、24時間程度経過した後も鼻水がさらさらしているか。粘りが出てきた場合には風邪の可能性があります。くしゃみや鼻水以外に発熱や喉の痛みが出る場合も、風邪の可能性が高いでしょう。

病院にかかる目安は「日常生活にどの程度の支障があるか」

 特に社会人の方では、花粉症で鼻水や鼻づまりがひどかったり、対処のために飲んだ市販薬の副作用で日中の眠気が強かったりと日常や仕事に影響が出てしまうような人もいます。

 最近では、「眠くなりにくい」とうたわれる、副作用の出づらい市販の抗ヒスタミン薬も売られています。こういった新しい薬を試してみて、それでも副作用が強かったり、効き目が薄かったりした場合は、ご自身に合う薬が病院で処方可能な場合もあるので、相談してみるとよいでしょう。

症状別の治療が可能

 診療に訪れた人は、原因が明白な場合を除き、血液検査などでアレルギーの原因を特定します。またどのような症状が出るか、どんな時期に症状が出ているかなどの情報から、その人に合った治療薬を選択していきます。

 例えば鼻づまりと鼻水は似たような症状に思えますが、実は原因が別。鼻の粘膜が腫れて鼻づまりを起こしている場合には、抗ヒスタミン薬では改善が期待できないので、別の治療薬を選択します。

飲み薬以外の治療法も

 飲み薬以外の治療方法もあります。日本では近年、スギ花粉症とダニに対しては、「舌下免疫療法」が可能です。

 これは、抗原が入った口の中で溶ける錠剤を1日1回、1分間舌の下に置き、完全に溶けたら飲みこむことを通常3~5年間継続して体質改善をはかる治療法です。治療には根気が必要ですが、これを継続することで身体が抗原物質に慣れ、約8割は症状が改善します。

 欧米では歴史が長く、局所的なアレルギー反応が見られることはありますが、安全性の高い治療法です。効果が確約されるわけではないものの、根本的な体質改善が期待できる唯一の治療法と言えます。

 その他には、レーザー治療もあります。これは予防的な治療法で、鼻の粘膜などをレーザーの熱で変性させ、鼻水やくしゃみが出づらい状態にすることで症状を緩和します。アレルギー症状が出ている状態ではかえって刺激になってしまうので、花粉症の時期に先立って治療をしておく必要があります。効果の持続期間は人によって、半年〜1、2年程度です。

 デメリットとして、鼻の粘膜が本来果たす、ウイルス等の侵入を防ぐ機能低下が懸念されます。

日常生活で気を付けられることは?秋冬アレルギーの予防法

ダニ対策はこまめな掃除を

 秋の植物アレルギーは、雑草の多い場所へ行くことを避けて予防しましょう。

 ダニアレルギーの対策では、隅まで丁寧に掃除を行ってできる限り抗原を取り除くことが重要です。布団を天日干ししたり、枕や布団のカバーを洗濯したりと、寝具をこまめにきれいにするように心がけましょう。

 またダニを防ぐ寝具カバーの使用や、湿度を低く保つようコントロールすることも効果的です。

市販薬の他に「鼻うがい」もおすすめ

 自分でできる対策としては、外出から戻った際に鼻うがいをして、鼻に付着した花粉などを洗い流すことも効果的です。

 鼻うがいとは、鼻から鼻へ生理食塩水を通して洗浄する方法になります。ドラッグストアなどで鼻うがい用の薬も簡単に購入できます。

帰宅時のケア徹底で上手に付き合おう!

 完治の難しいアレルギー症状。ご自身でうまく対策しながら、時には専門医の力を借り、最新の治療法を検討してみるのも選択肢ですね。

 春だけでなく、秋冬にもくしゃみやむずがゆさを感じる方は、ぜひ家でできる予防法から試してみましょう。

橋口 一弘(はしぐち・かずひろ)先生

プロフィール:ふたばクリニック院長
1982年4月慶応義塾大学病院耳鼻咽喉科入局、済生会神奈川県病院、産業医科大学、北里研究所病院を経て、2000年4月北里研究所病院耳鼻咽喉科部長。2009年4月北里大学北里研究所病院臨床教授。2011年3月にふたばクリニック院長に就任。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会評議員。日本口腔咽頭学会評議員などを歴任。花粉症対策に力を入れ、NPO法人花粉症・鼻副鼻腔炎治療推進会、花粉情報協会の理事も務める。


著者

松本まや(まつもと・まや)
プロフィール:フリージャーナリスト。2016年から共同通信社で記者として活躍。社会記事を中心に、地方の政治や経済を取材。2018年よりフリーに転身し、医療記事などを執筆中。

参考文献

※ 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会編, 鼻アレルギー診療ガイドライン―通年性鼻炎と花粉症―2020年版(2020年7月発行), ライフ・サイエンス

記事提供元

MYCODEの運営会社・株式会社DeNAライフサイエンスのグループ会社であるDeSCヘルスケア株式会社が提供する、ヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」掲載記事より「体質改善できる治療法もある?掃除も効果的?秋冬アレルギーに要注意・後編」(2020年12月8日配信)を一部改編。
kencomについて詳しくはこちら

病気のリスクや体質の遺伝的な傾向が気になりませんか?
遺伝子検査MYCODEで調べる