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【管理栄養士コラム】歯ぐきに痛みや違和感はありませんか?炎症は歯周病のサイン!

2018年06月20日 09時00分

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その歯ぐきの違和感、歯周病が関係しているかもしれません。(写真:Shutterstock.com)

歯ぐきに痛みや違和感はありませんか?炎症は歯周病のサイン!

 歯ぐきに違和感を感じたり、口臭が気になる方はいらっしゃいませんか? その原因は、歯周病が関係しているかもしれません。日本人の歯周病有病率は他の病気には類をみないほど高く、働き盛りの年代(35~69歳)では、約80%以上に所見が見られたと報告されています。また、若い15~25歳でも前段階である歯肉炎の患者が急速に増加していることから、年齢関係なく予防への意識と正しいケアの取り組みが期待されています(※1)。

 そのような背景もあり、テレビコマーシャルなどでは、「歯垢(しこう)や歯石(しせき)をとる」、「歯周病予防」をテーマとした商品を目にすることが増えてきました。この機会に歯ぐきの状態や口臭に影響しているものがどのようなものなのか、また、歯周病を予防するためには、日々何をしたら良いのかをお伝えしたいと思います。

歯ぐきの状態をセルフチェック!痛みや腫れはありませんか? 

 まずは、ご自身の歯や歯ぐきの状態を把握するために、下記8項目について、思い当たる症状がいくつあるかを数えてみましょう。

<歯周病のセルフチェック8項目 (※2)>
◽︎ 朝起きたときに口の中がネバネバする。
◽︎ ブラッシング時に出血する。
◽︎ 口臭が気になる。
◽︎ 歯ぐきがむずがゆい、痛い。
◽︎ 歯ぐきが赤くはれている(健康的な歯ぐきはピンク色で引き締まっている)。
◽︎ かたい物が噛みにくい。
◽︎ 歯が長くなったような気がする。
◽︎ 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。

〇3~5項目該当
ご自身で歯や歯ぐきのメンテナンスを強化しましょう。また、歯科医院にて1年に数回歯の掃除をすることで、より歯周病の予防につながります。

〇6,7項目該当
歯周病が進行している可能性があります。近日中に歯科医院を受診しましょう。

〇8項目すべて該当
歯周病の症状がかなり進んでいるようです。歯周病だけでなく、他の病気の発症にも影響しますので、歯科医院を受診しましょう。

歯周病って口の中の細菌が原因?

 “歯周病”という病名は耳にすることが増えてきましたが、実際の症状やその原因はあまり知られていないようです。歯周病は、口の中に存在する細菌によって引き起こされる感染性炎症性疾患です。また、食習慣や歯磨き習慣、喫煙が関与する生活習慣病として位置づけられています。近年は、糖尿病になると歯周病になりやすいことや、歯周病になると、口の中の細菌が増加し、血液や呼吸器内に入り込むと、心筋梗塞や動脈硬化など全身の健康にも影響を与えることがわかってきました(※1)。

 この細菌が原因で発症する歯周病の予防法は、まさに日々の習慣にあります。その習慣を継続するモチベーションや、効果的な取り組みを自分自身で選択するには、歯周病のメカニズムを理解しておくことも重要です。

歯と歯ぐきの境目にたまる歯垢(プラーク)

 食後に長時間歯を磨かずにいると、歯の表面がネバネバしていると感じたことはありませんか? このネバネバしたものは、歯垢(別名プラーク)と呼ばれ、口の中に存在する細菌が、糖質(主にショ糖、別名スクロース)をエサに作り出します(※3)。食後8時間程度でこの歯垢ができるといわれており、歯垢1㎎の中には、およそ1億個程度の細菌が存在するようです。この細菌群が虫歯をはじめ、私たちの健康に悪影響を及ぼすといわれています(※4)。

歯と歯ぐきをブラッシング!歯磨きの重要性 

 歯周病の予防には、歯垢を貯めないことが一番重要といわれています。歯垢対策として、3つのポイントを整理しておきましょう。

 ① うがいはプラーク除去に効果がある?
歯垢は水に溶けにくく、粘着力があるため、うがいでは除去できないといわれています(※4)。市販されているうがい薬の多くは、殺菌作用が期待されていますが、歯垢を取り除くには歯ブラシでブラッシングする必要があります。ブラッシングをした上で、細菌の増殖を防ぐ為の補助として、うがい薬を使用することが推奨されています(※5)。

 ② 1日、1回、細かいお手入れを
歯と歯ぐきとの間に付着した歯垢は、なかなか通常のブラッシングでは取り除くことが難しいです。食後8時間程度で歯垢が形成されることを考えると、1日に1回はデンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシ(図1)で、細かい箇所のお手入れをすることが推奨されています(※6)。
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図1.歯のケアグッズ

 ③ 細菌のエサにならない糖質
歯周病が気になる人は、食間にとる飴やガムの種類を選ぶのも工夫のひとつです。飴やガムに使用されている砂糖の種類は、商品によって様々です。原材料の表記を参考に、細菌のエサになるショ糖(スクロース)よりも、エサになりにくい糖アルコール(エリスリトール・キシリトール等)やアスパルテームを使用しているものを探してみましょう(※3)。「歯の健康維持に役立つ」として特定保健用食品に認定されているものもあります(※7)。

歯垢(プラーク)が歯と歯ぐきに及ぼす影響・歯周病の進行

 図2に、正常な人と歯周病の人の歯と歯ぐきの状態を示しました。食後、歯垢ができてから歯周病へのメカニズムを確認しましょう。
① 歯と歯ぐきの境目の掃除が行き届かないと歯垢ができる。
② 歯垢が石灰化すると一定期間で「歯石」となる。
 歯石の表面はきめが粗いため、細菌を含んだ歯垢が新たに付着しやすい。
③ その結果、歯ぐき周辺の細菌群がもつ毒素により炎症が起こる。
 この炎症は、赤くなったり、腫れたり、出血したりする。
④ 炎症が進行すると、歯と歯ぐきの間に隙間(歯周ポケット)ができる。
⑤ 歯周ポケットの深さが増していくと、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が不安定になる。
⑥ 最終的には抜歯をしなければならなくなる。
※症状やその進行は、ご本人の健康状態(防御反応)によっても異なるといわれています(※1)。

 ちなみに、歯垢はブラッシングで除去できますが、歯石は一旦歯に付着するとブラッシングでは取り除くことができません。数か月に1回歯科医院で除去してもらうことが推奨されています(※6)。

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図2.健康な状態と歯周病の症状

口臭の原因と対策

 歯周病の発症には、生活習慣などの環境要因(50%)と、生まれ持った体質である遺伝要因(50%)が関与しているといわれています(※8)。この生まれ持った体質は、遺伝子検査MYCODEで調べることができます。

◆MYCODE会員の方はご自分の結果を振り返ってみましょう
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 残念ながら遺伝要因は私達の力で変えることはできませんが、遺伝子検査結果でリスクが高いからといって、必ず発症するわけではありません。違う見方をすると、リスクが低くとも、環境要因(生活習慣)によっては発症する可能性が高くなります。まずは、歯のケアのタイミングや回数、その方法を自分の習慣に置き換えて考えてみましょう。そして2週間実施し、自分の習慣と合わずに継続が難しい場合は、“歯垢をためこまない”を軸に、可能な方法に置き換えていきましょう。

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