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病気・医療

緑内障の新しい治療法を開発!
目薬をささなくても良い日はくる?

2015年04月03日 10時00分

 日本人の失明の主要な原因となっている緑内障。米国の研究グループが開発した緑内障の治療法とは?


Eye

画像はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:Biswarup Ganguly/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植)

 緑内障という目の病気をご存知ですか?
緑内障にかかると、眼圧の上昇によって視神経が障害され、視野が狭くなります。症状が進行すると視力が低下したり、場合によっては失明することさえあります。

 米国の研究グループは、緑内障の薬の新しい投与法をウサギを用いた実験により確立したとして、インベスティゲイティブ・オフタルモロジー&ビジュアル・サイエンス誌の2014年9月号で報告しました。

40歳以上の20人に1人は、緑内障にかかっている

 厚生労働省研究班の調査によると、緑内障は我が国における失明原因の1位となっています。しかも最近の調査によると、40歳以上の日本人の20人に1人の割合で緑内障にかかっているそうです。ここまでの話を聞くと非常に恐ろしい病気だと感じてしまいますが、多くの場合、適切な治療をすれば、病気の進行を抑え失明を防ぐことができます。
 緑内障の治療では、眼圧を下げる目薬が処方されます。多くの場合は、目薬を点眼することで眼圧を下げることができます。しかし、目薬の効果が長いものでも24時間しか持続せず、目薬を差し忘れると眼圧が元の状態に戻ってしまうため、毎日点眼し続ける必要がありました。

開発した治療法とは?

 研究グループは、0.7-0.8mmの「マイクロニードル」と呼ばれる極細の注射針をもつ注射を使って、患部に薬を投与する方法を開発しました。ウサギの白目(強膜)に注射針を挿入し、強膜とその下にある毛様態、脈絡膜の間の空間に緑内障の薬を注入しました。その後、眼圧を測定したところ、最大で3 mm Hg眼圧が下がることが確認できたそうです。この時の投与量は従来の100分の1でした。

目薬の差し忘れを防ぐ

 今回の特別な注射による方法を用いれば、従来の点眼薬に比べて劇的に薬の使用量を減らすことができ、副作用のリスクの低減が期待されます。また、研究グループは、今回の手法では、1回の注射で十分量の薬を直接投与できることから、薬の効果の持続時間の面でも期待がもてるとコメントしています。
 緑内障の怖いところは、症状の進行は常に一方通行で、失った視野や視力を治療によって取り戻すことができないところです。今回の手法の実用化により、目薬のさし忘れを心配しなくてもよい日が来るかもしれません。


参考文献

Kim YC et al. Targeted delivery of antiglaucoma drugs to the supraciliary space using microneedles.
Invest Ophthalmol Vis Sci. 2014 Sep 11;55(11):7387-97. doi: 10.1167/iovs.14-14651.

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