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病気・医療

緑内障の新しい治療法を開発!目薬をささなくても良い日はくる?

2015年04月03日 10時00分

 日本人の失明の主要な原因となっている緑内障。米国の研究グループが開発した緑内障の治療法とは?


失明原因の第1位ともいわれる緑内障、新たな治療法の研究が日々進められています(写真:Shutterstock.com)

緑内障は日本における失明原因の1位

 緑内障という目の病気をご存知ですか?緑内障にかかると、眼圧の上昇等によって視神経が障害され、視野が狭くなります。症状が進行すると視力が低下したり、場合によっては失明することさえあります。

 緑内障の中には、眼圧の上がらない「正常眼圧緑内障」もあり、日本人にはこのタイプの緑内障が多いことが知られています。何らかの原因で視神経が障害され視野が狭くなるという点は同じです。

 厚生労働省研究班の調査によると、緑内障は日本における失明原因の1位となっています。ただ、早期に発見し、適切な治療をすれば、病気の進行を抑え失明を防ぐことができるとされています。

 緑内障の治療では、正常眼圧緑内障も含めて多くの場合眼圧を下げる目薬が処方され、病気の進行を抑えます。しかし、目薬の効果が長いものでも24時間しか持続せず、目薬をさし忘れると眼圧が元の状態に戻ってしまうため、毎日点眼し続ける必要がありました。

緑内障の薬の新しい投与法を開発

 2014年、米国の研究グループは、緑内障の薬の新しい投与法をウサギを用いた実験により確立したことを報告しました。

 研究グループは、0.7~0.8mmの「マイクロニードル」と呼ばれる極細の注射針をもつ注射を使って、患部に薬を投与する方法を開発しました。ウサギの白目(強膜)に注射針を挿入し、強膜とその下にある毛様体、脈絡膜の間の空間に緑内障の薬を注入しました。その後、眼圧を測定したところ、最大で3mmHg眼圧が下がることが確認できたそうです。この時の投与量は従来の100分の1でした(※)。

1回の注射で十分な効果、毎日の点眼が必要なくなることに期待

 今回の特別な注射による方法を用いれば、従来の点眼薬に比べて劇的に薬の使用量を減らすことができ、副作用のリスクの低減が期待されます。また、研究グループは、今回の手法では、1回の注射で十分量の薬を直接投与できることから、薬の効果の持続時間の面でも期待がもてるとコメントしています。

 緑内障の怖いところは、症状の進行は常に一方通行で、失った視野や視力を治療によって取り戻すことができないところです。今回の手法の実用化により、目薬のさし忘れを心配しなくてもよい日がくるかもしれません。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Kim YC, Targeted delivery of antiglaucoma drugs to the supraciliary space using microneedles., Invest Ophthalmol Vis Sci.


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