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病気・医療

痛風はめっちゃ痛いが、お薬の飲み方次第でふところ痛まず

公開日:2015年3月27日
更新日:2018年6月18日

 痛風は、30から50代の男性がかかることが多く、最近では若者にも増加しているといわれています。一度かかってしまうと長期間になる治療。薬代を抑えつつも効果のある飲み方とは?


画像はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:Wellcome Library, London/クリエイティブ・コモンズ 表示 2.0 一般)

 痛風という病気を知っていますか?痛風は、尿酸という物質が体の中にたまり、それが血液中で結晶化して関節炎などを引き起こす病気です。風が吹いただけでも痛むということから「痛風」と名づけられたように、痛風が引き起こす関節の痛みはとてもつらいといわれているのです。

痛風は長期にわたる薬代で出費がかさむ

 痛風の治療費の大部分は、検査費と薬代です。日本では初診料などを除けば、保険の適用で自己負担額は1ヶ月あたり3千円~5千円程度といわれています。しかし、痛風は一度発症したら治りにくく、ずっと薬を飲み続ける必要があります。そのため治療は長期間となることが多く、治療費の総額はかなりの出費となってしまうのです。

2種類の薬の飲み方で費用対効果を検証

 2014年11月4日、米国ミネソタ大学の研究チームが、この痛風の薬をどのように飲めばもっとも効率がよく、出費が抑えられるのかについて検討しました。彼らは、血中の尿酸値を下げる薬として代表的な、「アロプリノール」と「フェブキソスタット」の2種類の薬の組み合わせを検討しました。フェブキソスタットは、値段は高いけれども、効きが良くて副作用も低く服用は1日1回というメリットがあるようです、しかしアロプリノールの方はジェネリックも出ていて、費用の差は大きいことが知られています。

もっとも効果の高かった飲み方とは

 調査には、治療にこれらの薬が適していると診断された痛風の人たちを対象としました。薬は飲まない、それぞれ1種類だけの薬を飲むグループ以外に、先にアロプリノールを飲んで途中でフェブキソスタットに切り替える、先にフェブキソスタットを飲んで途中でアロプリノールに切り替える、の5グループ、それぞれさらに、毎日同じ量の薬を飲み続けるグループと、段々飲む量を増やしていく、全10グループに分けて、費用と、生存年数や生活の質(QOL)などを比較したのです。
 
 研究の結果は、何も飲まないよりも、アロプリノールのみで治療した場合のほうが費用対効果は高かったようです。しかし、最も費用対効果が高かったのは、飲む量を増やしながらアロプリノールからフェブキソスタットに切り替えたグループとなったということです。このグループは治療費は高くなってしまったものの、生活の質や生存年数の点で効果的だったようです。 

痛風にならないために効果的に予防

 効果的な飲み方がみつかったとはいえ、一度発症したら治りにくいとされる痛風。痛風にならないために予防することがとても大切です。
 MYCODEでは、痛風にかかりやすいリスクや、尿酸値が高くなりやすいかどうかについての傾向を調べることができます。自分を知ることでより効果的な予防を心がけましょう。


参考文献

Jutkowitz E et al. Cost-effectiveness of allopurinol and febuxostat for the management of gout.
Ann Intern Med. 2014 Nov 4;161(9):617-26. doi: 10.7326/M14-0227.

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