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病気・医療

つらい頭痛、何とかしたい!食事に気をつければ症状が軽くなる!?

公開日:2015年6月8日
更新日:2021年10月21日

多くの人が悩んでいる頭痛、効果的な予防法はあるのでしょうか(写真:Shutterstock.com)

慢性的な頭痛の予防法はあまりわかっていない

 日本人の3、4人に1人は経験しているとされる頭痛。慢性的な頭痛には、緊張型頭痛や片頭痛などが知られています。これらの頭痛は、悩んでいる人が多いにも関わらず、効果的な予防法などはあまりわかっていません。

 米国の研究グループは、食事でとるナトリウム量に気をつけることで頭痛が予防できるかを検証しました。

頭痛と食事内容との関係を調査

 研究グループは、高血圧を予防するために考えられたDASH食事プログラム(野菜や果物を豊富に取り入れ、脂肪分が控えめ)と米国人の標準的な食事を比較し頭痛への影響を調べました。そしてさらにこの2パターンの食事それぞれでナトリウム量多め、標準、控えめにした食事を比較しました。

 これらの食事をそれぞれ高血圧ではない190名の人に一定期間食べてもらい、頭痛の状態について一人ずつ質問を行いました。

野菜や低脂肪よりも塩分!?

 結果として、DASHの食事と平均的な食事では頭痛が起こる頻度や程度に特に差はありませんでした。しかし、DASH食、平均的な食事のどちらにおいても、ナトリウムを控えめにした食事で頭痛の発生が30%程度抑制されていました(※)。

 私たちがとるナトリウムの多くは塩分です。つまり、野菜や果物、低脂肪などよりも塩分を控えめにした方が頭痛には効果があると解釈できます。

塩分をとりすぎないように注意してみては

 今回の食事でとっていたナトリウムの量をすべて食塩として換算すると、1日当たりのおおよその食塩は、多め8.8g、標準5.8g、控えめ2.9gになります。

 ちなみに、醤油大さじ1杯の塩分は約2.6g、そして厚生労働省の推奨食塩摂取量は男性8.0g未満、女性7.0g未満ですので、研究の食事の食塩量は日本人の私たちにとってはかなり少ないと感じるかもしれません。

 急に少なくするのは難しいかもしれませんが、慢性的な頭痛に悩んでいる人は、塩分をとりすぎないように注意したいですね。 

 そして、いつもとは違うひどい頭痛の場合はクモ膜下出血などの病気が潜んでいるかもしれませんので、必ず病院を受診しましょう。


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Amer M, Effects of dietary sodium and the DASH diet on the occurrence of headaches: results from randomised multicentre DASH-Sodium clinical trial., BMJ Open.


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