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病気・医療

女性は人ごとだと思わないで!
身近な子宮内膜症に新薬の候補が!?

2015年06月03日 10時00分

 子宮内膜症は近年急増しており、生理痛で悩む女性の4人に1人と言われるくらいよくある病気だそうです。アメリカの研究グループは2015年1月、子宮内膜症に良く効いて副作用も少ないお薬の新しい候補について報告しました。


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写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:Leonardo Aguiar/クリエイティブ・コモンズ 表示 2.0 一般)

子宮内膜症はひとごとではない

 子宮内膜症とは、子宮の内膜の組織が本来の子宮とは違うところにできてしまう病気で、月経時にひどい痛みがあり、進行が進むと月経時でなくとも痛みを伴います。不妊の原因にもなってしまうため、進行させないことが大切です。

 20代から40代に多く、日本では生理痛のある女性の4人に1人ともいわれています。子宮内膜症の原因ははっきりしていませんが、最近の女性は出産する年齢が高齢化していたり、出産する子供の数が少ないことから、女性ホルモンである「エストロゲン」にさらされる期間が長いことが関係していると考えられています。

新しいお薬が登場するかも!?

 子宮内膜症の治療は、手術による摘出もありますが、お薬によって女性ホルモンであるエストロゲンを低下させるという方法をとることが多いようです。しかし、お薬の効果には限界があって完全に治らないだけでなく、女性の健康のためにとても大切なホルモン(エストロゲン)を止めたことで副作用がでるなどつらい治療となることがあります。

 2015年1月、アメリカの研究グループは、今後の新しいお薬となりそうな候補の物質を発見したことを報告しました。研究グループは、エストロゲンの量を変えるのではなく、その働きをブロックすることで子宮内膜症を効果的に治療し、副作用も少なくできるのではないかと考えたのです。

 具体的には、細胞内でエストロゲンのシグナルの受け取りを邪魔するクロロニダゾール (CLI) とオキサバイシクロヘプテンスルフォネート (OBHS)という2つの物質が、子宮内膜症に対して効果的であるかどうかを調べたのです。

効果が期待できそう

 子宮内膜症の症状を発症しているマウスやヒトの培養細胞に対してこの2つのお薬を投与したところ、エストロゲンに関連して引き起こされる炎症を効果的に抑えたそうです。

 細胞内でエストロゲンのシグナルを伝える経路は2つありますが、CLIとOBHSの2つの物質がそれぞれ別の経路に関わることで、効果的に子宮内膜症を抑えていることが分かったのです。

 しかも、どちらのお薬もマウスでは女性の性周期や妊娠のしやすさに影響することなく、子宮内膜症を抑えることができたのです。

 今後の実用化で子宮内膜症の治療が少しでも楽になることを期待したいです。


参考文献

Zhao Y et al. Dual suppression of estrogenic and inflammatory activities for targeting of endometriosis.
Sci Transl Med. 2015 Jan 21;7(271):271ra9. doi: 10.1126/scitranslmed.3010626.

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