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病気・医療

【六号通り診療所の医師によるコラム】
今年のインフルエンザワクチンはこう変わる

2015年06月30日 10時00分

 医師による特別コラム、第6弾です!今回は「インフルエンザワクチン」に関するお話です。今シーズンのワクチンは、これまでの内容とは異なるようです。従来のワクチンとの違いを説明していただきました。


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写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。

 特別企画、六号通り診療所の所長の石原藤樹先生によるスペシャルコラムをお届けします!今回は「インフルエンザワクチン」について書いていただきました。

今シーズンは、インフルエンザワクチンの内容が変わる

 こんにちは。六号通り診療所の石原です。

 インフルエンザが流行るのは冬ですから、まだまだ先の話ですが、実はインフルエンザワクチンの用意は、もうこの時期から始まっています。

 先日今年のワクチンの内容が決まりましたが、これまでとは大きな違いがありました。
今日はそのことについてご説明します。

これまでは3種類の抗原を含んだワクチン

 インフルエンザワクチンの種類は、その中身については毎年1種類しか製造はされません。
 
 これまでのインフルエンザワクチンは、3種類のウイルス抗原が含まれた3価のワクチンでした。それが、今年のシーズンから、B型の抗原を1種類増やした、4価のワクチンになるのです。この変更にはどのような意味があるのでしょうか?

 昨シーズンまで接種されていた、季節性インフルエンザワクチンには、A型が2種類、B型が1種類の、併せて3種類の抗原が含まれていました。これで3価のワクチンと言う訳です。

 その内訳は、A型がH3N2のいわゆるA香港型と、2009年に新型インフルエンザと呼ばれたH1N1型、そしてB型が1種類です。

前回のシーズンで流行したウイルスを参考にして作製したワクチンには限界も

 このワクチンに含まれる抗原の選定は、概ね前回のシーズンで流行したウイルスが選ばれます。

 しかし、実際には前年流行したウイルスと、全く同じウイルスが流行するという保証は、
何もありませんから、ワクチンと流行するウイルスとが異なる、というケースは当然あるのです。

 A型の場合には、H1N1とH3N2以外が流行する可能性は、鳥インフルエンザなど特殊な新型インフルエンザを除けば、現時点ではほとんどありません。

 しかし、問題になるのはB型です。近年の流行しているB型のウイルスには、ビクトリア系統と山形系統という、2つのタイプがあります。これはH1N1とH3N2くらい性質が違いますから、当然ビクトリア系統の抗原のみを含むワクチンは、山形系統のウイルスには無効です。しかし、現行使用されている3価のワクチンには、1種類のB型の抗原しか含まれていません。

 つまり、ある年のワクチンにはビクトリア系統の抗原しか含まれていないので、仮に山形系統の流行があれば、ワクチンを打っていても全く効果は期待出来ない、ということになるのです。

今シーズンから4種類の抗原を含んだワクチンに

 実際にインフルエンザワクチンの効果は、A型インフルエンザと比較するとB型では明らかに低くなります。通常1シーズンのB型インフルエンザは、どちらかの系統のものしか流行らないので、当たれば効果がある反面、外れればB型に関しては、ほとんど意味のないワクチンになってしまいます。

 毎年接種することが推奨されているワクチンが、このような一か八かの選択で良いのでしょうか?

 この問題を解決する1つの方法が、ワクチンに含まれるB型の抗原を2種類にして、ビクトリア系統と山形系統の両方をカバーすることです。つまり、それがこれまでの3価のワクチンを、今シーズンからB型の抗原を1つ加えて、4価のワクチンにする理由なのです。

 今年のワクチンはそんな訳で昨年とは種類が違い、B型に対しても一定の効果が期待出来ます。

 ただ、抗原の量が増えると、発熱などの副作用(副反応)も増える可能性があり、その点では注意が必要です。皆さんもそのことをしっかり確認した上で、ワクチンの接種を検討して下さい。

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