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病気・医療

関節軟骨の磨耗によって生じる膝の痛み
最も効果のあった治療法は?

2015年05月20日 09時00分

 関節軟骨の磨耗によって生じる変形性膝関節症。あまりにも痛みがひどいと動くのが億劫になりますよね。米国の研究グループは、変形性膝関節症に対してどの治療法が有効であったのかを検証しました。


185 knee treatments

写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:Filmitadka/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植)

日常生活に支障をきたす変形性膝関節症とは

 変形性膝関節症は、関節軟骨の磨耗によって生じます。加齢、酷使、怪我、関節リウマチ等が原因として考えられており、膝の軟骨や半月版が磨り減って変形しクッション機能がなくなります。このため、膝の曲げ伸ばしや立ち上がり、歩行時に痛みが生じ、これら日常の動作が困難になります。
 これまでに、痛みや腫れを和らげるために、非ステロイド性抗炎症薬の服用やヒアルロン酸やステロイドなどの薬を関節内に注射する薬物療法が行われてきました。米国の研究グループは、3万人を超える治療データを用いて、この中で痛みや機能改善に効果があった治療法を検証し、その結果をAnnals of Internal Medicine誌に報告しました。

飲み薬と関節に注射する方法を比較

 研究グループは、効果的な治療法を見つけるために、過去の文献データの中から137の研究、 3万3243人分のデータを集め、それぞれの治療法の効果を検証しました。比較対象は、解熱鎮痛薬として使われるアセトアミノフェン、非ステロイド性抗炎症薬のジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブという飲み薬、関節内へのコルチコステロイド(ステロイド薬)もしくはヒアルロン酸の注射、ニセ飲み薬、ニセ薬の関節内への注射です。

痛みに対して最も効果的な治療法は、ヒアルロン酸の注射

 検証したすべての薬は、痛みに対してニセ薬より効果がありました。その中で最も効果が大きかったと考えられたものは、関節へのヒアルロン酸の注射で、逆に効果が最も小さかったのはアセトアミノフェンでした。また、アセトアミノフェンを除いて、臨床的に十分な治療効果が認められたそうです。
 機能の改善の面では、関節へのステロイド薬の注射を除いて、すべての薬がニセ薬より効果があることがわかりました。こわばりに関しては、薬の間で、効果の差はなかったそうです。

 私たちは、さまざまな治療法・薬の中から任意のものを場合によっては選ぶことができるようになりました。今回のような研究結果は、そのようなときに参考になるかもしれません。ただし、治療法や薬に対する相性には個人差があるので、お医者さんとよく相談することが大切です。


参考文献

Bannuru RR et al. Comparative effectiveness of pharmacologic interventions for knee osteoarthritis: a systematic review and network meta-analysis.
Ann Intern Med. 2015 Jan 6;162(1):46-54. doi: 10.7326/M14-1231.

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