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生命は宇宙からやってきた・・・!?宇宙旅行したDNAが示した驚きの結果

公開日:2015年1月17日
更新日:2018年6月18日

宇宙旅行したDNAとは・・・?(画像 Penyulap/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植)

ロケットの外側にDNAを付着させて、発射!!

我々生命の遺伝情報をつかさどるDNA。そのDNAをなんとロケットの外側にくっつけて宇宙旅行させてみたという興味深い報告がありました。
研究チームは宇宙空間に晒されたDNAがどうなるのかを直接確認するため、これから宇宙へ飛び立とうとしている無人ロケットの表面にDNAを直接塗りつけ、そのロケットを発射させたのです。

帰ってきたロケット。果たして付着させたDNAは・・・?

宇宙を旅する途中、ロケットの表面は当然過酷な環境になります。1000℃にもなる高温や、宇宙空間での放射線に耐えなければならないのですから、DNAは無事ではすまないでしょう。研究者たちも、当然DNAは完全に壊れてしまうのではないかと予想をしていました。

ところが、本当に驚くべき事に、戻ってきたロケットの表面を調べてみたところ、そこにDNAの存在を再び確認することができたのです。

生命は、宇宙からやってきた?

しかも、回収されたDNAを実験用の細胞に導入したところ、DNAの中に含まれていた遺伝情報は、しっかりと機能を保持していることが証明されたのです。DNAがそのまま宇宙空間に出発し、苛酷な環境に晒された後でも、機能を保った状態で帰ってこれたという事実は、驚き以外の何物でもありません。

この結果は、地球上の生命は宇宙からやってきたのかもしれない、という想像すら引き起こさせます。現在の我々の体に脈々と受け継がれているDNAは、何十億年も前に隕石に付着して地球にやってきたDNAであり、それが進化を続けながら今の私たちを形作っているのかもしれません。
生命と宇宙の神秘には、まだまだ興味がつきません。


参考文献

Thiel CS et al. Functional activity of plasmid DNA after entry into the atmosphere of earth investigated by a new biomarker stability assay for ballistic spaceflight experiments.
PLoS One. 2014 Nov 26;9(11):e112979. doi: 10.1371/journal.pone.0112979.