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「ハゲタカ」の腸を大調査!!腐った死体を食べても病気にならない理由とは??

2015年05月08日 09時00分

 「ハゲタカ」と呼ばれる巨大な鳥、コンドル。彼らは動物の死体を食べて生きています。どうしてお腹を壊さずに腐った肉が食べられるのでしょうか?腸内に住む微生物の遺伝子を調べることで、コンドルの消化器官がもつ優れた能力が明らかになったのです!


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DNA調査からわかってきた、ハゲタカの優れた消化能力の秘密とは(写真:Shutterstock.com)

ハゲタカとも呼ばれる巨大な鳥、コンドルとは!?

 日本では通称「ハゲタカ」とも言われる「コンドル」はタカ目コンドル科に分類される大きな鳥で、羽を広げるとなんと2~3mにもなるそうです。頭の部分は羽毛がなく禿(は)げているのでハゲタカと呼ばれています(ちなみにハゲタカはコンドルとハゲワシを合わせた通称名だそうです)。

 彼らは動物の死体をあさって食べる習性があり、羽に腐った肉がつかないようにはげているという説もあります。

 死体なんて怖いようにも思えますが、生きた獲物をとるために戦って傷つけ合わずにすむので、生きていく上で合理的とも言えます。

 でも、腐った死体を食べたら、ばい菌だらけで普通ならお腹を壊してしまいそうですよね。実際に人間など多くの動物は腐った死体を食べることができません。コンドルはどうして大丈夫なのでしょうか?

腸内のDNAと頭付近にくっついたDNAをすべて調べる

 研究チームはこのコンドルの腸の中に秘密があると考え、「メタゲノム解析」と呼ばれる方法で調査しました。

 メタゲノム解析とは、ある場所に存在するDNAをすべて調べ、含まれている全ての遺伝情報を解析することで、どのような種類の生物(多くは微生物)が含まれているのかを調査する方法です。

 彼らは、腸の中のDNAだけでなく、コンドルの顔面の皮膚に付着しているDNAについてメタゲノム解析を行い、頭と腸で、どのような細菌が住んでいるのかを調べたのです。

腸の中にいたのは・・・なんと

 その結果、コンドルの顔面にはなんと500以上の分類に属する多様な有毒細菌のDNAが存在していたのに対し、腸の中には70程度の菌のDNAしか残っていないことがわかりました(※)。つまり、顔についた有毒な菌のDNAは、腸に至るまでにの中でかなりの種類の数が消化分解されていたのです。

 また、エサとして食べた動物のDNAは腸の中で完全に分解されていたのに対し、驚くべきことに多くの動物が食中毒を引き起こすクロストリジウム鋼属やフソバクテリウム門属に属する菌などのDNAは腸の中で分解されずそのまま残っていることがわかりました。

 これはつまり、これらの有毒とも思われる細菌群が腸の中で選択的に生かされて生きている可能性を示しているのです。

 コンドルの強い消化力に耐え抜いたこれらの細菌は、恐らくエサとなる死体を分解するための手助けを行い、一方コンドルは、これらの細菌が出す毒素に耐えうる能力を持つことができたために、死体を分解するための力を手に入れることができたということが考えられます。

 毒素を出す細菌を取り込んでしまうとは・・・コンドルの生き残り術はすさまじいものですね。

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 この研究のように、遺伝子やその担い手であるDNAの研究は日々進歩しており、DNAを調べることで見えないほど小さい生物についても多くのことを知ることができるようになってきています。

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監修者
認定遺伝カウンセラー 藤田和博先生
プロフィール:昭和大学藤が丘病院での先天異常、血液腫瘍の遺伝子・染色体検査の経験を生かし、現在は大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科教授として臨床検査学教育と研究に従事。

参考文献
Roggenbuck M, The microbiome of New World vultures. Nat Commun.


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