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遺伝子

古代エジプトの人が現代人と同じ関節の病気に!?

2015年06月23日 10時00分

 エジプトのカイロ大学の研究チームは、CTスキャンにより古代エジプトのミイラの関節炎の症状を診断し、生存中に患っていた病名を明らかにしました。


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ラムセス2世が建造したといわれるアブ・シンベル神殿。(写真:Than217)

 科学技術の進歩により、古代の人が生存中にかかっていた病気を推測できるようになりました。MYCODEトピックスでも「乳がんの痕跡が見つかったミイラ」「冠動脈疾患の兆候が見つかったミイラ」についてお伝えしました。

 今回、エジプトのカイロ大学の研究チームは、古代エジプト王家の人が生存中にかかっていたとされる関節の病気を診断しました。

症状が類似している2つの関節の病気

 関節の病気の中に、症状がとてもよく似ている強直性脊椎炎と汎発性特発性骨増殖症があります。

 強直性脊椎炎は、若い男性(9割の人は40歳まで)に発症し、背骨、骨盤、首を中心に全身の腱や靱(じん)帯に原因不明の炎症が起こり、これらの部位が次第に動かなくなる病気です。

 それに対して、汎発性特発性骨増殖症は、主に50歳を超える男性に発症し、脊椎の痛みやこわばりがおこる病気です。

古代エジプトミイラの関節の病気を診断

 研究チームは、13体の古代エジプト王家のミイラ(紀元前1492~1153年)を調査の対象として、X線を利用して身体の内部(断面)を画像化できるCT検査により、症状が類似している強直性脊椎炎と汎発性特発性骨増殖症を診断しました。

老人がなる関節の病気にかかっていた!?

 結果、これらのミイラでは、おしりの両わき(仙腸関節)と背骨(脊椎)で強直性脊椎炎で特徴的な症状は認められませんでした。

 一方、アメンホテプIII世(第18王朝)、ラムセスII世、その息子であるメルエンプタハ、ラメセスIII世(第19-20王朝)の4体のミイラでは、一般的に老人の病気といわれている汎発性特発性骨増殖症と判断できる症状が見られたそうです。

 今回の発見は、彼らが長生きであったという考古学の知見とも一致しているそうです。CTでみられた症状は現代の人の症状とよく似ていることから、この病気との闘いは大昔から続いていると考えられました。

参考文献
Ankylosing spondylitis or diffuse idiopathic skeletal hyperostosis in royal Egyptian mummies of 18th -20th Dynasties? CT and archaeology studies.

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