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遺伝子

あなたは大丈夫?蚊に刺されやすいかどうかは、生まれつき決まっているらしい!

公開日:2015年6月4日
更新日:2023年5月24日

 夏になって気になる虫といえば「蚊」、時々刺されやすい人っていますよね。蚊は、人間から発生される化学物質(体臭のようなもの?)を察知して刺しにくるといわれています。体臭は遺伝子で決まると言われているので、つまり蚊に刺されやすいかどうかは遺伝しているのではないのか?という点に注目した研究が行われました。


同じ遺伝子をもつ双子は蚊に刺されやすさも同じ!?(写真:Shutterstock.com)

もうそろそろ蚊の季節ですね

 気温が上がってくると、やってくるのが虫、特に気になるのは「蚊」ですよね!ちょっと自然が多いところに行くと、刺されちゃってホント大変です。

 以前の記事「地球上で最も人間の命を奪う生物は「蚊」 その恐ろしい進化とは?」で、蚊は人を刺すために進化した!なんてお話をお伝えしましたが、去年話題になったデング熱のこともあるし、できればあまり刺されたくないですよね(参照「去年話題の「デング熱」 新たなワクチンがついに開発?」)。

 そんな「蚊」、みんなの中で刺されやすくていつも一人だけターゲットになっている人いませんか?刺されやすい人は生まれつき決まっているのでしょうか?

双子を使って蚊に刺される実験!

 蚊が感知するのは、人が知らないうちに発生させている空気中の化学物質だそうです。イギリスの研究グループは、体臭などの体質と同じように、蚊をひきつけるかどうかは遺伝子で決まっているのではないかと考えたのです。

 彼らはそのことを確かめるために双子を使った研究を行いました。つまり、遺伝子が全く同じ一卵性双生児では、蚊に刺される程度が同じで、遺伝子が兄弟くらい違う二卵性双生児では蚊に刺される程度が異なるのではないかと考えたのです。蚊は、通称ヤブカとも呼ばれる「ネッタイシマカ」を使いました。

 研究グループは双子の手を容器に入れてもらって蚊を投入し、どちらの手の方に行くのかを測定しました。

蚊に刺されやすさは遺伝子で決まる!?

 その結果、遺伝子が全く同じ一卵性双生児では、蚊に刺される程度がとても近かったのに対し、二卵性双生児では2人の間で刺されやすさにかたよりがでたそうです(※)。同じ遺伝子を持っていると同じくらい蚊を引き付けるということはつまり、蚊を引き付けるのには遺伝子が関係するということなのです。

 もし蚊に刺されやすい遺伝子をもっている気がしたら、虫除けスプレーは必須かも。蚊は黒や紺の服に集まるらしいので白い色の服を着るようにすると効果があるそうですよ!

 蚊に刺されやすい遺伝子の正体はまだ明らかではないようですが、今後の研究できっとわかってくるでしょうね!待ち遠しいです。

自分を再発見する旅へ

 あなたの体の設計図である遺伝子。最近の研究ではその解読方法がどんどん明らかになってきており、遺伝子をのぞいてみれば多くのことがとがわかるようになってきました。MYCODEのディスカバリーでは、あなたの体質や、古代にさかのぼってあなたの祖先がどこから来たのかを知ることができます。

監修者
認定遺伝カウンセラー 藤田和博先生
プロフィール:昭和大学藤が丘病院での先天異常、血液腫瘍の遺伝子・染色体検査の経験を生かし、現在は大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科教授として臨床検査学教育と研究に従事。

参考文献
Fernández-Grandon GM, Heritability of Attractiveness to Mosquitoes., PLoS One