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涼しいところを好むハエ「アツガリ」
その能力と秘密

2014年12月20日 16時00分

  写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。 


涼しい部屋を好むハエ「アツガリ」

 京都大学の研究グループは様々な特徴を持つハエを研究しており、実験用ハエの中からある特徴を持つハエのグループを発見しました。

 そのハエたちは、場所によって温度が違う部屋に入れられると、温度の低い方、涼しい方へと自然に集まってくる傾向がありました。
 研究グループはこれらのハエが暑がりのため涼しいところに移動しているのだろうと考え、このハエの系統を「アツガリ」(論文表記では“atsugari”)と名づけました。

寒い中でも生き抜く力をもつ「アツガリ」

 通常のハエは22℃前後の温度を好みますが、この「アツガリ」は18℃前後の温度を最も好むことがわかってきました。
 さらに、涼しいところを好むだけでなく、寒さに耐性があることもわかってきました。通常のハエは、0℃で24時間おくと死んでしまいますが、「アツガリ」の半数以上の個体は生き残ることができました。驚くべき事に、零下2℃でも2割が生き残っていたといいます。

「アツガリ」の秘密はエネルギー代謝?

 なぜ「アツガリ」は低温を好んだり、低温環境下で生き残ることができたのでしょうか?

 研究者たちが「アツガリ」の遺伝子を調べたところ、「アツガリ」ではジストログリカンという遺伝子が変異しており、さらにエネルギー代謝の量が通常のハエよりも約2倍、多いことがわかりました。「アツガリ」では遺伝子変異によってエネルギー代謝がよくなり、自身が発する熱量によって、暑がりな体質になってしまったのかもしれません。

 ちなみに、このジストログリカンという遺伝子の働きについて詳しいことはわかっていませんが、ハエだけでなくヒトにも存在する遺伝子だという事はわかっています。今後の研究が進むことで「暑がりのヒト」がなぜ暑がりかという問題について、理由が説明できる日がくるかもしれません。


参考文献

Takeuchi K et al. Changes in temperature preferences and energy homeostasis in dystroglycan mutants.
Science. 2009 Mar 27;323(5922):1740-3. doi: 10.1126/science.1165712.

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