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【fumfum増刊号】「打たれ強い民族」はどこに?民族によって違う、遺伝型の割合

公開日:2016年6月30日
更新日:2018年6月18日

民族集団によって、遺伝型の割合は大きく違います。他の集団と比べて、日本人の「打たれ強さ」は・・・!?


写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。

あなたの遺伝的な「打たれ強さ」、もう調べた?

 MYCODE fumfumで提供している「打たれ強さ」の遺伝的傾向は、チェックいただいておりますか?

 ショックな出来事などが原因でストレスを感じてもすぐに立ち直って普段どおりに行動できる人もいれば、胃がキリキリ痛んだり、仕事が手につかなくなるなど心身に大きな影響が出てしまう人もいますよね。

 研究によると、例えば以下のような人が、ストレスを感じても比較的心身に影響が出にくい人、つまり「打たれ強い人」に当てはまるそうです。あなたは当てはまりますか?

・昔楽しんでいたものを、今でも楽しめる
・常に、何か楽しみにしていることがある
・心配事について、長く考えすぎない
・問題を直視することができる
・自分自身が大切な役割を担っていると感じている

「打たれ強い遺伝型」を持つ日本人、他国と比べて多い?少ない?

 「打たれ強さ」の項目では、英国エディンバラ大学の研究を基に、rs10948347というSNPを解析し、以下の3タイプのうちどの遺伝型に当てはまるのかを調べています。

・TTの遺伝型を持つ人は「打たれ弱いタイプ」
・TCの遺伝型を持つ人は「やや打たれ弱いタイプ」
・CCの遺伝型を持つ人は「打たれ強いタイプ」

 日本人のうち、「打たれ弱いタイプ」は22.0%、「やや打たれ弱いタイプ」は49.8%、「打たれ強いタイプ」は28.2%の割合で存在しています。
どうやら日本人には、この3タイプの中では、「やや打たれ弱い」に分類される遺伝型を持っている人が最も多いようです。

 「あれ?日本人って、打たれ弱いのかな?」と思う方もいるかもしれませんが、他の民族集団と比較してみると、そうとも言い切れなさそうです。

 このSNPの遺伝型の割合は、12の集団で明らかにされていますが、
 日本人集団は、12集団の中では3番目に「打たれ強いタイプ」の遺伝型を持っている人の割合が高いようです。
3番目ということは、遺伝的に見ると、打たれ強い傾向を持つ日本人は、他の民族と比べて多い方と言えるのかもしれませんね。

 ちなみに、この中で最も「打たれ強いタイプ」の遺伝型を持っている人が多い集団は、東アジア人(約39%)、次に漢民族系中国人集団でした。
逆に、「打たれ弱いタイプ」の遺伝型を持っている人が多い民族は、欧州人(90%)でした。

日本人に多い「ストレスの素」とは?

 遺伝的に見ると、他の民族と比べて打たれ強い傾向を持つ割合が高そうな日本人ですが、内閣府の「国民生活選好度調査」によると、20~50代では、6割が「日頃とてもストレスを感じる」または「日頃ややストレスを感じる」と回答しています。

 2008年度に行われた内閣府による国民生活選好度調査によると、日本人のストレスの原因にはこのようなものが多いようです。

1位:収入や家計に関すること
2位:仕事や勉強
3位:職場や学校における人間関係
4位:自分の健康状態
5位:家族関係

 強すぎるストレスを受けたり、慢性的なストレスを受け続けると、個人差はあれど心身に悪影響が出てしまいます。「打たれ強い」からといって、油断は禁物ですね。

 また、ランキングには「自分の健康状態」が4位に入っていますね。MYCODEで自分の発症リスクを知り、将来の「ストレスの素」に今から対策してみませんか?

参考文献
Genome-wide association uncovers shared genetic effects among personality traits and mood states.
Acute stress enhances adult rat hippocampal neurogenesis and activation of newborn neurons via secreted astrocytic FGF2
引用した写真 Pat Pilon/クリエイティブ・コモンズ 表示 2.0 一般

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打たれ強さ