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歴史の嘘も暴ける遺伝子検査!ルイ16世の血で浸されたハンカチはどうだ?

公開日:2015年3月12日
更新日:2018年6月18日

 ルイ16世はフランス革命の頃のフランス国王で、あのマリー・アントワネットの夫であったことでも有名です。このルイ16世の血で浸されたハンカチのはいった容器、中身を遺伝子検査したのですが・・・


パリにあるルイ16世とマリーアントワネットの墓。記事と直接の関係はありません。(写真:Eric Pouhier/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 2.5 一般)

代々伝わるルイ16世の血を遺伝子検査

 フランス革命後、ルイ16世は1793年に断頭台で処刑されました。
「ルイ16世の血を浸したとされるハンカチが入っている」と書かれたひょうたんの容器。ハンカチはなくなっているものの、中には血痕が残されていました。大事に大事に保管されていました。
長い時を経て、この容器の中の血痕について遺伝子検査を行うことになりました!しかし、人間以外の様々な菌や植物・・・雑多な生物のDNA(遺伝情報)が混ざってしまっており、調査は大変だったようです。研究チームは、その中から何とか人とわかる遺伝子をつきとめ、解析を無事完了させました。

あれ、なんか違う!?

 しかし、ルイ16世の子孫にあたる、ブルボン家の末裔(まつえい)の男性2名との比較を行い、このひょうたんの中の血の持ち主が怪しまれることになりました。彼らは容器の中のすべてのDNAについて調べてみましたが、ひょうたんの中にあった人間のDNAはルイ16世のものではない可能性がでてきてしまったのです。
 研究チームは、解析されたDNAを使ってMYCODEのようなSNP(スニップ)解析を行ってみました。ルイ16世は宮廷の中で最も背が高いと言われていましたが、身長に関わる遺伝子の特長には、背が高くなるようなものは何もみつかりませんでした。さらに、ルイ16世の肖像画では青い色の瞳をしていますが、遺伝的特徴からは瞳の色は茶色であったと推測されるのです。
 このような歴史上の人物の解析は世界初だったのですが、彼らの解析は王だといわれていた人物像とはまったく一致しなかったという残念な結果となってしまったのです。

ルイ16世の肖像画

ひょうたんの中のDNAは誰のものだったのか

 このひょうたんに入っていた血は誰のものだったのでしょうか・・・?別人だとしたらなぜ嘘が書いてあるのでしょうか?ルイ16世本人だとしたら、彼は本当に伝えられていたような人物だったのでしょうか。
歴史の謎がまた一つ増えてしまった模様です。

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参考文献

Olalde I et al. Genomic analysis of the blood attributed to Louis XVI (1754-1793), king of France.
Sci Rep. 2014 Apr 24;4:4666. doi: 10.1038/srep04666.