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遺伝子

あの川にオオサンショウウオがいるか調べたい?
では水をくんで研究室に持ってきたまえ!

2015年04月25日 10時00分

 日本にしかいない「オオサンショウウオ」という生き物。開発や環境破壊で絶滅が危惧され、外来種の存在も問題となっています。そんな中、その場に残されたDNAの痕跡を分析することで彼らの生態を調べる方法が開発されたのです。


River

画像はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:Bernd Reuschenberg/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植)

DNAを調べれば、そこに何の生物が住んでいるかわかる!?

 「環境DNA」って知っていますか?一時期に健康被害が問題になった「環境ホルモン」じゃないですよ!環境DNA分析とは、ある生物が存在しているかどうかをその場に残されたDNA(生命の遺伝情報を伝える物質)を分析することで調べる方法なのです。
 生物が存在するかどうか?そんなの探せばいいじゃない!と思うかもしれませんが、とても小さい微生物ではもちろん、大きい動物でも住んでいる場所や生活が正確に分からない生き物はとてもたくさんいるのです!そんな生き物を傷つけたりおびえさせたりせずに、彼らが残したわずかなDNAの痕跡を調べる方法なのです。

絶滅危惧種の生息地を知るために

 神戸大学をはじめとした研究グループはこの環境DNA分析を使って、くんできた川の水から絶滅危惧種であるオオサンショウウオの生息地域を把握する方法を確立したのです。
 日本にしかいない「オオサンショウウオ」は「ウオ」とついてますが魚ではありません。カエルと同じ両生類の仲間です。体長は50cmくらいあり、最大でなんと150cmまでになるものがいるそうです。
 そんなオオサンショウウオは近年では住む場所も減り、絶滅が心配されています。さらに、人為的に持ち込まれた「チュウゴクオオサンショウウオ」が外来種として入ってきて、オオサンショウウオと交雑してしまう(つまり雑種が増えてしまう)ことも問題となっているのです。

Japanese giant salamander

画像はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:Momotarou2012/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植)

オオサンショウウオを求めて川の水をくむ

 オオサンショウウオを絶滅から守るためには、まずそれらがどこにどのくらい住んでいるのかを正確に知る必要があります。しかし、オオサンショウウオは夜行性でなかなか人前に姿を現さず、外来種と見た目がとても似ているため、見た目ですぐにどちらか分かりにくいのです。
 そこで、研究グループは環境DNAを使って調査を行いました。オオサンショウウオが生息しているとされる水の中には、その皮膚や体内の分泌物から由来するDNAが含まれているのです。2012年の京都市の調査でオオサンショウウオが生息するとされた、京都の桂川の流域37箇所から水をくみ、その中に含まれるDNAを抽出しました。その中にはおそらくたくさんの生物のDNAが含まれているはずですが、研究チームは「PCR」という方法をうまく応用してオオサンショウウオと外来種のDNAに含まれる遺伝情報をわけて調べることに成功したのです。

外来種は9カ所で発見、生態系の管理に有効な環境DNA

 調べた37カ所のうち、オオサンショウウオは27カ所で、外来種は9カ所で検出されたそうです。この結果は、2012年に調査された結果とも一致していました。
 環境DNA分析は、従来のような捕まえて調べる調査よりも労力が少ないため、短期間で広範囲の調査ができそうです。それだけでなく個々の種を見極める達人でなくても行えるのも、この手法の有利な点です。環境DNAで、そこに住んでいる種を正確に把握することができれば、日本固有の種の保護に大きく貢献することができると考えられるのです。今後も、様々な場所や手法で環境DNA分析が展開を見せることを期待しています。

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参考文献

Fukumoto S et al. A basin-scale application of environmental DNA assessment for rare endemic species and closely related exotic species in rivers: a case study of giant salamanders in Japan.
Journal of Applied Ecology. 2015 April;52(2);358–365. Article first published online: 13 FEB 2015 | DOI: 10.1111/1365-2664.12392

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