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遺伝子

ユーゴー・ド・フリース生誕日
何を発見した人かご存知ですか?

2015年02月13日 10時00分

2月16日はユーゴー・ド・フリース生誕の日です。ド・フリースはオランダの植物学者・遺伝学者で、まだ遺伝の本質が明らかにされていない時代に、「突然変異」という現象を発見しました。


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ユーゴー・ド・フリースが栽培実験に使用したオオマツヨイグサの花(写真:Shutterstock.com)

ユーゴー・ド・フリースを知っていますか?

 2月16日はユーゴー・ド・フリースの生誕日です。

 皆さんは、ユーゴー・ド・フリース(以下、ド・フリース)という人物をご存知ですか?ド・フリースはオランダの植物学者・遺伝学者で、まだ「遺伝子」という言葉が定義されていない時代に、「突然変異」という説を提唱しました。

 ド・フリースが発見した現象は、現在では当たり前のように受け入れられていて、例えば、風邪のシーズンで「突然変異により新型のウイルスが発生し、今年のワクチンの予防効果は落ちています。」というニュースでも使われています。突然変異という言葉は、今では私たちの日常の会話やゲームの世界でも使われており、すっかり身近なものとなりました。

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ユーゴー・ド・フリース(1848-1935)

「メンデルの遺伝」の再発見

 ド・フリースが突然変異を発見する前の功績として、「メンデルの法則の再発見」があります。

 オーストリアの司祭、グレゴール・ヨハン・メンデルは、「なぜ子は親に似るのか?」という長年の問いに対して、1865年に遺伝の概念を提唱することにより説明可能にしました。メンデルは、生物には形質(性質)を支配している「要素」があり、子はこの要素を父親と母親から一つずつ受け継いでいる、ということをエンドウマメを用いた実験により証明したのです。

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メンデルの法則の模式図  (エンドウマメの花の色)

 日本では江戸の幕末、その翌年1866年には薩長同盟が締結された時代に、メンデルは遺伝子の本質に迫ろうとしていました。しかし、当時この仮説はあまりにも先端的であり、この遺伝の法則は認められないまま、メンデルは1884年に亡くなってしまいました。

 その後、1900年になってド・フリースは、遺伝を決定する要素が細胞内にあることを、植物の栽培実験により発表しました。カール・エリッヒ・コレンス、エーリヒ・フォン・チェルマクらと共に、再びメンデルの遺伝の法則に光を当て、大きく世界に広めることに貢献したのです。

ダーウィンの進化論を「進化」させた「突然変異」という現象

 当時、「進化論」で有名なチャールズ・ダーウィンらの「遺伝要素に微小な変異が蓄積して新種が生じる」という考えが主流でした。しかし、ド・フリースは、いきなり新種が生じた結果、生物が進化することはあるのではないかと考えていました。

 ド・フリースは、オオマツヨイグサの栽培実験を行い、突然形質が変った植物が出現して、その形質を受け継ぐ子(変異種)の存在に気づきました。遺伝物質の突発的な変化により、新種が生まれることを「突然変異」と名づけました。さらに、進化は突然変異が起こった個体に有利な環境だった場合に生き残ることができる、という「突然変異説」を提唱しました。

 彼の死後、オオマツヨイグサの遺伝子の構成は非常に複雑であることがわかり、ド・フリースの観察した現象は、単純に遺伝子に変異が生じた結果ではないことがわかったのですが、まだ「遺伝子」すら分かっていない時代に、提唱された突然変異説は後の進化論や遺伝学に大きな影響を与えました。

 その後、遺伝要素(もしくは遺伝物質)は遺伝子であることが明らかにされ、遺伝や突然変異は当たり前のように受け入れられています。現代では、遺伝子についてさらに研究が進み、様々なことが分かってきています。

 MYCODEで遺伝子検査をお届けできるようになったのも、こういったたくさんの研究者たちの歴史の積み重ねなのですね。


監修者
認定遺伝カウンセラー 藤田和博先生
プロフィール:昭和大学藤が丘病院での先天異常、血液腫瘍の遺伝子・染色体検査の経験を生かし、現在は大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科教授として臨床検査学教育と研究に従事。


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