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遺伝子

最新の科学を結集して実現! ヒトの念力でネズミを操る技術!?

2015年01月30日 09時00分

まるでテレビや映画の中の超能力のような、驚くべきシステムが開発されたのでご紹介します。なんと、ヒトの精神状態だけでマウスの遺伝子を操るという、にわかには信じられない研究結果が報告されました。


ネズミの遺伝子を操れる…?(写真 : Rama/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 2.0 フランス)

精神を集中させるだけでマウスの遺伝子を操作!

 まるでテレビや映画の中の超能力のような、驚くべきシステムが開発されたのでご紹介します。なんと、ヒトの精神状態だけでマウスの遺伝子を操るという、にわかには信じられない研究結果が報告されたのです。

異分野の最先端研究を融合

 この驚くべき研究成果を報告したのは、スイスの研究チームでした。彼らは「合成生物学」と「サイバネティクス」という2つの異なる分野の研究を統合して、このような画期的な成果をあげることに成功したといいます。

 合成生物学の分野では、光や電波などの刺激に応答して遺伝子を制御するシステムが進歩していました。一方サイバネティクスとよばれる分野では、脳から出ている脳波を感じ取る機器の発達によって、脳からの信号で人工の手足や車椅子の機能を果たすシステムの開発が進んでいるそうです。

 この二つの興味深い技術を組み合わせる事により、研究者たちは新しい画期的なことができないか、果敢なチャレンジを行いました。

実験者が集中するとマウス体内の遺伝子が活性化

 実験ではまず、人の頭に装置を取り付け脳波をキャッチすることから始まります。実験者が意識を集中させたりぼーっとしたりすると、その脳波の違いによって無線でマウスの頭の中に移植されたLEDライトのスイッチが切り替わります。そして最後に、その光に応答するように設計された遺伝子の発現がON(活性化状態)になったりOFF(非活性化状態)になったりする、という仕組みを研究者たちは構築することに成功したのです。

脳のイメージで実現する未来

 この研究は、もちろんまだまだ基礎研究ではありますが、将来的に医療の分野でも応用される可能性を秘めています。例えば、閉じ込め症候群という疾患をご存知でしょうか? 認知機能はしっかりしているにもかかわらず、眼球以外を動かすことができないという非常に重い病気ですが、今回の研究結果を応用することができれば、このような疾患の人でも痛み止めなどの薬剤を自己投与できるようになることなどが期待されているのです。

 この技術を利用すれば脳の力で色々なことができるようになるかも!? という夢が膨らみますね。今後の研究進展にも、大きく期待しています。


参考文献

Mind-controlled transgene expression by a wireless-powered optogenetic designer cell implant.
Nat Commun. 2014 Nov 11;5:5392. doi: 10.1038/ncomms6392.

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