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「私たち、うまくいかないね・・・」それって離婚遺伝子のせいなのかも!?
離婚に関係があると言われる遺伝子を知っていますか?「ハタネズミ」のつがい行動に影響を及ぼすといわれている遺伝子は、人間の夫婦関係にも影響を与えているそうです。
離婚のしやすさも遺伝子が関係しているの?(写真:Shutterstock.com)
離婚しやすい遺伝子って?
「離婚しやすさ」と関係があると言われている遺伝子を知っていますか?
2008年に「ハタネズミ」のつがい行動に影響を及ぼすと知られていた遺伝子が、人間の夫婦関係にも影響を与えるという報告がありました。いったいどういうことなのでしょう。
オスのネズミの結婚後の行動からわかってきた遺伝子
それは、脳に存在するアルギニンバソプレッシン(AVP)という物質に関わる遺伝子なのです。
AVPが機能するオスのハタネズミの奥さんは1匹だけで、ちゃんと子育てを手伝うのですが、AVPがあまり機能しないオスはたくさんの奥さんと結婚して、しかも子育ても全然しないそうです。
脳の中でAVPを受け取る物質に関連したAVPR1A遺伝子の違いが、この行動と関連していたのですが、研究チームはこのAVPR1A遺伝子の違いが人間の結婚生活にも影響を与えているのではないかと考え、調査しました。
パートナーがいる男性900人の遺伝子と結婚生活を調査
調査は、パートナーがいるスウェーデン人の男性900人を対象に行なわれ、結婚がうまくいっているかのアンケートと、AVPR1A遺伝子の関連について調べられました。
「去年、離婚の危機を経験しましたか?」という質問に対し、この遺伝子にある違いをもっている人のグループは34%が「はい」と答えたのに対し、違いをもたないグループでは、「はい」と答えたのは15%でした。遺伝子の違いによって離婚の危機に約2倍の違いがあることが明らかになりました(※)。
結婚せずに同棲し続けていることも遺伝子の影響!?
さらに、相手がいても結婚せずに同棲している割合も調査してみました。遺伝子に違いをもたないグループが17%だったのに対し、遺伝子に違いをもつグループでは32%で、こちらも2倍程度の違いがあったのです。
これらの結果は、ハタネズミのように人間でも1つの遺伝子と結婚生活との間に関連があることを示しています。
もちろん、この遺伝子があるからって必ず離婚するとは限らないのでご安心ください!こんなことも遺伝子研究からわかってきたのですね。
監修者
認定遺伝カウンセラー 藤田和博先生
プロフィール:昭和大学藤が丘病院での先天異常、血液腫瘍の遺伝子・染色体検査の経験を生かし、現在は大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科教授として臨床検査学教育と研究に従事。