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独りでも平気な自分。恋人がいらないのは何のせい?恋愛と遺伝子の関係

公開日:2019年4月18日

あなたは独りでも大丈夫な人?(写真:Shutterstock.com)

恋愛は何歳から?

 小さい子供の中には、「お父さんと結婚する!」なんて言ったりする子もいますが、人は何歳ごろから恋愛を意識するようになるのでしょうか。子供は3歳くらいから異性に対して「好き」という感情を持ち始めます。山口芸術短期大学の研究グループが、年中児・年長児への聞き取り調査を行ったところ、年長児の約半数が「好きな人はいるの?」という質問に異性の名前を挙げ、その大半が一人の名前を挙げていることが分かりました(※1)。
 
 幼いころは、一人を好きになることで、その人を中心として、対人関係を広げている側面もあるようです。この時期の恋心というのは、いわゆる「恋愛」とは違い、「対人関係の広がり」とみるのが正しいようです。このようにして、人は少しずつ他人と深く付き合うことを覚え、いろいろな人との関りを深めていくのですね。

恋人を作らないのは遺伝子のせい?

 では、成長した私たちの恋心はどこからきているのでしょうか。人が恋に落ちる現象はまだ明らかにされていないことも多いですが、今回は遺伝子と恋人について調べた論文をご紹介します。
 
 北京大学を始めとした研究グループは、精神を安定させる神経伝達物質であるセロトニンの受容体である5-HT1Aという遺伝子が恋人の有無と関係があるのではないかと考え、中国人の大学生579人と5-HT1Aの遺伝子の関係について研究を行いました。すると、5-HT1A遺伝型のある多型では、恋人がいない人が多いことが分かりました(※2)。その多型を持つ人は、恋人のような近しい関係の存在をそれほど必要としないのではないかと研究グループは推測しています。

 今回の実験は、結婚などの社会的なプレッシャー(環境要因)の比較的少ない大学生を対象としており、社会人など環境が変われば、遺伝的要因より環境要因が大きくなることが考えられます。しかし、ある程度環境が自由であれば、恋人の有無に遺伝子が関与している可能性が示唆されたのはとても興味深いですね。
 
 残念ながら、MYCODEでは恋人ができるかどうかに関わる遺伝型はわかりませんが、MYCODE fumfumでは「誠実さ」「親切さ(利他的行動)」など、あなたの性格に関する遺伝的傾向を調べることができます。あなたのその性格が遺伝子によるものなのか、それとも周りの環境から作り上げられたものなのか調べてみませんか?

監修者
認定遺伝カウンセラー 藤田和博先生
プロフィール:昭和大学藤が丘病院での先天異常、血液腫瘍の遺伝子・染色体検査の経験を生かし、現在は大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科教授として臨床検査学教育と研究に従事。