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遺伝子

毛がフサフサになって、しかも傷がすぐ治っちゃうってどういうこと!?

2015年03月05日 09時00分

 髪の毛が薄くなったり、怪我の回復が遅くなったりすると、年をとったと感じますよね。米国の研究グループは、本来胎児で働いている遺伝子が、発毛力と怪我の回復力を高める能力をもっていることを発見しました。


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写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:Asacyan/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植)

 ハーバード大学医学大学院らの研究グループは、毛の成長や傷の回復を早められる遺伝子を発見したと、米国科学雑誌Cellに報告しました。

子供の方が傷の治りが早いのはなぜ

 毛の成長や傷の回復力は年齢とともに低下します。なぜ子供は大人に比べて傷の治りが早いのでしょうか?
 研究グループが着目したのは「Lin28a」という遺伝子。この遺伝子は哺乳類では、受精卵から出産前の母親のお腹にいるときによく働いています。また、あらゆる細胞に変化することができる能力をもつ「胚性幹細胞」でも働いており、話題のiPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製時にも利用されるなど、注目の遺伝子なのです。

驚異的な発毛力と怪我の回復力

 研究グループは、生まれたあともLin28a遺伝子が働くような特別なマウスを使用しました。通常のマウスとLin28aマウスの背中の毛を刈り取り、1週間後の毛の伸び具合を比べたところ、通常のマウスではうっすらとしか毛は生えてきませんでしたが、Lin28aマウスの背中の毛はほぼ生えそろいました。
 次に、指や耳を傷をつけて、怪我の治り具合を調べ、Lin28aマウスは通常のマウスに比べ傷の治りが早いこともわかったのです。

エネルギー生産の向上がポイント?

 細胞の中で、エネルギー産生を行う細胞小器官、ミトコンドリア。以前からミトコンドリアの機能に欠陥があると細胞や組織の老化が進むことは知られていました。Lin28aの機能を詳しく調べたところ、Lin28aはミトコンドリアの代謝を高める働きをもつことがわかりました。
 以上の結果から、発毛や怪我の回復力を高めるポイントは、ミトコンドリアの代謝の向上であることがわかりました。研究グループはさらに解析を進めてLin28遺伝子と同等の働きを持つ薬を見つけ、発毛や怪我の回復力を高めることを証明しました。
 まだマウスを用いた段階の研究ですが、今後の研究の進捗により人でも使用できる画期的な薬が開発されるかもしれません。


参考文献

Shyh-Chang N et al. Lin28 enhances tissue repair by reprogramming cellular metabolism.
Cell. 2013 Nov 7;155(4):778-92. doi: 10.1016/j.cell.2013.09.059.

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