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忘年会・新年会で口の中が大変なことに!?飲み会でやってしまいがちな危険な組み合わせ

お酒を飲む機会の多い季節ですが、気をつけたい事が・・・(写真:Me, myself and I/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 2.5 一般)
まずはお口の中のお話
テレビでは毎日のようにガムやハミガキの宣伝を見かけますよね。「息スッキリさわやか!! 」あの憧れの女優さんや俳優さんが、キラキラとした美しい息を「ハァ~ッ」と出しています。私たちも、身近な人たちを不快にさせないために、お口の清潔を常日頃心がけたいものです。
しかし、いつも清潔で口臭が無いあの人もこの人も、実は全員必ず、口の中には細菌が住んでいます。
お口の中は細菌アパート
口の中に住んでいる細菌は1種類ではありません。様々な種類の細菌が住んでおり、まとめて「常在菌」と呼ばれています。「細菌」というと、悪いことをしているようなイメージが先行してしまいますが、常在菌は、どの細菌がどれくらいの割合住んでいるのか、という数のバランスを保ちながら、健康を維持するという大事な役割を果たしています。
ところが、常在菌の数のバランスが何らかの原因により崩れてしまい、例えば1つの菌だけがたくさん増えてしまったりすると、虫歯や歯周病をはじめとした、さまざまな病気につながってしまうことがわかっています。
飲み会で大勢やってる飲酒+喫煙がお口の病気につながる?
常在菌のバランスを崩す原因はさまざまなのですが、今年10月、ブラジルの研究グループが、微生物の専門誌BMCマイクロバイオロジー誌で「お酒+たばこ」がその原因の1つとなるという報告をしました。
研究グループは、お酒やタバコの量がいろいろな人を集めて、歯周ポケットのあたりの常在菌を綿棒でぬぐい取りました。ここからDNAを取り出して解析し、それぞれの人での常在菌のバランス(種類や数)を調べました。
その結果、「たばこ」または、「お酒+たばこ」の人は、常在菌のバランスが崩れ、種類が激減しているということが判明しました。(この研究では、お酒だけの人は調べていませんでした。)具体的に、「たばこ」の人は3分の1くらい、「お酒+たばこ」の人は5分の1以下に種類が減っていました。
「お酒+たばこ」により常在菌バランスが崩れると、さまざまな口の病気につながっていくとのことです。
さて、この事実を知ってしまったあなた!忘年会や新年会でたばこを吸うも吸わないも、あなた次第です!!
参考文献
Thomas A et al. Alcohol and tobacco consumption affects bacterial richness in oral cavity mucosa biofilms.
BMC Microbiol. 2014 Oct 3;14(1):250.