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【管理栄養士コラム】意外と知らないお酒の良いところ、悪いところ。あなたは知っていますか?

公開日:2015年1月14日
更新日:2020年8月4日

楽しいだけでなく、上手に付き合えば体にも良いのがお酒なのです!(写真:Shutterstock.com)

 新年会など飲酒の機会がまだまだ続くシーズンなのではないでしょうか。ついつい飲みすぎてしまっても「1年に1度だから・・・」とコップを片手にご挨拶を交わされている方も多いかと思います。

 今回は、「お酒はNG!控えましょう!」だけではなく、意外と知られていないお酒の良いところも含めて、お伝えしていきます!

お酒の良いところ3つ

①コミュニケーションの潤滑油になる
 楽しい食卓で、料理も一層おいしくいただけます。

②適量であれば健康に良い
 1週間に7合程度の飲酒は、糖尿病、心筋梗塞、アルツハイマーの発症リスクを低減するといわれています。1日1合とは、ビールならジョッキ1杯(500ml)、日本酒なら1合(180ml)、焼酎なら0.6合(110ml)、ワインならグラス1~2杯(180ml)程度です。

③ストレス解消になる
 個人差は大きいですが、血中のアルコール濃度が20~40mg/dlになると爽快な気分(陽気程度)になるといわれています。酒量としては上記の1合程度、つまりビールならジョッキ1杯、もしくは日本酒1合程度です。

 この倍量を飲むと一般的にほろ酔い気分(血中のアルコール濃度50~100mg/dl)となり、抑制がとれて飲みすぎにつながりやすいようです。新年会は「心が酔ったところで、さっと切り上げる!」がコツとなりますので、1次会程度でお開きとすることがポイントです。

お酒の残念なところ4つ

①アルコールは意外とエネルギー(kcal)が高い
 炭水化物は1gあたり4kcal、アルコールは7kcal、脂質は9kcalです。また、アルコールは体温を上げるためのエネルギーにはなりますが、体内で糖質に変換されることはないので、活動時のエネルギー源にはならないといわれています。

②お酒は内臓脂肪を増やしやすい
 アルコールは肝臓で分解されますが、その際に中性脂肪が合成されます。よって、血中の脂質(中性脂肪)が上昇したり、内臓脂肪の増加、特に脂肪肝になりやすいといわれています。おつまみを食べないので体重は多くはないけど、「脂肪肝」と指摘を受けたことのある人は、お酒の量を振り返ってみましょう。

③適量を過ぎてしまうと、がんの発症リスクが高まるといわれている
 日本人の男性で1日あたりの平均アルコール摂取量が1合程度(純エタノール量23g未満)の人に比べ、2倍の46g以上で40%、3倍の69%以上で60%程度、がんになるリスクが高くなるといわれています。特に食道がん、大腸がんとの関係が高く、女性では乳がんのリスクが高まるとされています。

④お酒には、体をつくるたんぱく質や体調を整えるビタミン・ミネラルが含まれていない
 お酒は、エネルギー量(kcal)以外の栄養素が含まれていないため、お酒中心の食生活では、疲労感が強まったり、風邪を引きやすくなったり、運動しても筋肉が減少するなどの原因となります。

新年会シーズンは3つのポイントで!

①飲酒量は爽快気分まで!増えてしまってもほろ酔い気分までとしましょう。
 また、飲酒量は飲み会前後の2~3日で帳尻あわせを意識し、1週間で7合程度にしましょう。

②年末から続いた「飲み会慣れ」を解消しましょう。

③飲み会では、お酒から摂取できない栄養素は必ず確保しましょう。 
 “おつまみ” の選び方として、野菜料理を2品程度は必須、プラス高たんぱく・低脂肪なおかず(焼き鳥などの焼き物やお刺身、豆腐料理等)がおすすめです。

 以上、いかがでしたでしょうか?知識を正しく持って、楽しく健康に、お酒と付き合っていきましょう!


 遺伝子検査MYCODEでは、自分の遺伝子を調べる事で、様々な自身の体質について知ることができます。例えば、お酒を飲んで顔が赤くなる、お酒に弱いタイプかなどを調べる事ができます。自分の体質を知るのに、遺伝子検査を活用してみるのも面白いかもしれませんね。