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赤ワインに含まれる成分が、口やのどのがん抑制に効果あり!?

公開日:2015年1月14日
更新日:2020年12月21日

赤ワインの中に含まれる成分が、やっかいながんに効果を発揮する!?(写真:Shutterstock.com)

口やのどにできるがんをご存じですか?

 皆さんは、口やのどの中にもがんができることを知っていますか?主に口の中のがんを口腔がん、のどの中のがんを咽頭がんというのですが、口腔がんや咽頭がんの多くは扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんという種類のがんなので、それらをまとめて頭頚部扁平上皮(とうけいぶへんぺいじょうひ)がんという言い方をすることがあります。

 アメリカではがん全体の約6%、日本では約5%がこの、頭頸部扁平上皮がんであると言われています。

 がんは通常、外科手術で取り除いた後に、放射線や抗がん剤で治療することになります。しかし、頭頸部扁平上皮がんの中には再発しやすいタイプや、治療が効きにくいタイプのがんがあるなど、なかなか悩ましいがんの一つとなっています。

ブドウの皮に含まれるポリフェノール成分はがんに効果があるのか

 米国コロラド大学薬学部の研究グループは、この頭頸部扁平上皮がんに対して、赤ワインに含まれる「レスベラトロール」という成分に効果があることを発表しました。

 レスベラトロールはポリフェノールの一種で、ブドウの皮に含まれています。他にも動脈硬化や肥満などさまざまな効果が期待できると注目され、研究が進められています。

がんを一歩手前でストップ!

 研究グループによると、レスベラトロールは、がんになる一歩手前の状態からがんになろうとするときに、がん細胞が増えるのに関与する酵素を作るのを邪魔して、結果的に細胞を死に追いやったとのことでした(※)。

 赤ワイン好きにはうれしい報告ですね。でも、いくら体に良い成分が含まれるとは言っても、飲みすぎは禁物ですよ!


監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

Shrotriya S, A perspective on chemoprevention by resveratrol in head and neck squamous cell carcinoma., Adv Exp Med Biol.



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