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【5月31日は世界禁煙デー】なぜたばこをやめることができないのか。喫煙者に潜むニコチン依存症の危険性

公開日:2015年5月29日
更新日:2018年6月18日

 禁煙に何度も挑戦したけどうまくいかない。このような人はニコチン依存症になっている可能性があります。ニコチン依存症の人の禁煙がうまくいかない実態が明らかになりました。


写真はイメージです。記事と直接の関係はありません。(写真:Magnus Fröderberg/クリエイティブ・コモンズ 表示 2.5 デンマーク)

5月31日~6月6日は禁煙週間です。

たばこは体に悪い、やめたいと思っていてもなかなかやめられない。なにか原因があるのでしょうか?

禁煙に失敗した理由

 ファイザー株式会社は全国47都道府県9,400人の喫煙者を対象にたばこに関する意識調査を行いました。たばこを吸っている人はどのような理由で禁煙を断念したのでしょうか?

第5位 自分の周りに喫煙者が多かったから

 せっかく禁煙しようと思っても、誘惑が多い中での禁煙は難しいようです。

第4位 本気でやめたいと思っていなかったから

 ご本人が本気でやめたいと思っていないと難しいです・・・。

第3位 飲み会などでつい吸ってしまったから

 お酒を飲むと緊張感がとれて行動も大胆になり、「禁煙は明日から始めればいいや」って思ってしまうのでしょうか。

第2位 ストレスを解消したかったから

 たばこでストレスが解消されるのでしょうか? 禁煙したほうがストレス解消となったという報告があります。必ずしもたばこはストレス解消とはならないようです。

第1位 禁煙中のイライラに耐えられなかったから

 たばこを吸っている人にとって禁煙することはとても大変なようです。しかも、ほとんどの人が「自分の意思のみ」で禁煙に挑戦していることがわかりました。周りの人のサポートが必要かもしれません。

なぜ失敗したのか・・・多くの人がニコチン依存症という実態

 同調査におけるニコチン依存症を診断するスクリーニングテストにより、喫煙者のうち68.6%(6,448人/9,400人)がニコチン依存症の疑いがあると示されました。

 この数から日本には約1,487万人がニコチン依存症だと推測されるようです。禁煙に失敗した理由1位の「禁煙中のイライラに耐えられなかった」と答えた人はニコチン依存症になっている可能性が高いです。

禁煙しようと思い挑戦したもののうまくいかない

 「この1年間に禁煙に挑戦したことがありますか」という質問に対して約30%の人が禁煙に挑戦したと答えていることがわかりました。この挑戦はうまくいったのでしょうか?

 ニコチン依存症と非依存症の人では禁煙できた期間に大きな差があることがわかりました。ニコチン依存症の人の約半数が1週間未満で禁煙を断念していることがわかりました。なんと、約17%の人が禁煙に挑戦してから1日ももたなかったそうです。

 ニコチン依存症になってしまうと、非ニコチン依存症の人よりも禁煙が難しいことが改めて示されました。

 たばこは吸わないことが一番。これまで吸ったことがない人はこれからも吸わないようにしましょう。

 たばこを吸っている人はこの機会に禁煙に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 ほとんどの人は自分の意思のみで禁煙に挑戦しています。禁煙に何度も挑戦したにもかかわらず禁煙できなかった人は、一度、医療機関で診てもらいましょう。禁煙治療は保険の適用で治療をうけることができます。


参考文献

≪日本全国の“ニコチン依存度チェック”2014≫ファイザー株式会社

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