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食事・生活

記憶力を上げたいときに積極的にとるべき!?身近な飲み物にも意外な効果

公開日:2019年6月2日

あの飲み物に記憶力を上げる効果!?(写真:Shutterstock.com)

とても身近なコーヒーやチョコレート、実は意外な効果が?

 コーヒーやお茶などのカフェインが含まれる飲み物を飲みながら仕事や勉強をする、なんてこと多くありませんか?一緒にチョコレートや抹茶のお菓子を食べるのもおいしいですよね。ついつい摂取してしまうカフェイン入り食品。おいしいからというのもあるけれど、ちょっと眠気を覚ましたい、そんな効果も期待していませんか?

 そんなあなたに朗報です!実はカフェインには、覚醒だけではなく記憶の定着にも関係があるということが報告されているのです。

長期記憶とカフェインの摂取

 2014年に発表されたアメリカのジョンズ・ホプキンズ大学の研究チームの論文によると、カフェインは長期記憶の固定を増強させる効果があることがわかりました。
 
 研究チームはまず、参加者44人に、日用品、植物、動物、楽器などの画像を数枚順番に見てもらい、どんなアイテムが描かれていたか覚えてもらいました。その後、参加者を2つのグループに分け、カフェイン200mgもしくはプラセボ(擬似薬)を摂取してもらいました。

 24時間後、再度画像を見てもらい、それが前日に見たものと「同じもの」か、「異なるもの」か、アイテムとしては同じだが完全一致はしていない「似ているが異なるもの」だったか、の3グループのどれに属するか判別してもらいました。「似ているが異なるもの」とは、例えば「バスケット」というアイテムは同じだがデザインが異なる、といったものです。

 その結果、「同じもの」や「異なるもの」の判別にはカフェインの摂取量との関係がみられなかったのですが、「似ているが異なるもの」はカフェインを摂取したグループの方がより正しく判別できることが明らかになりました(※)。研究グループは、カフェインには長期記憶の固定を増強する効果があるのではないかと推測しています。

 何気なく摂取していたカフェイン、今後は記憶力を上げたい時にもいいかもしれないですね!ただし、カフェインのとり過ぎは心臓に負担をかけるなど健康に良くないことがわかっていますので、コーヒーの飲みすぎやサプリメントなどで摂りすぎないように注意してくださいね。

 MYCODE fumfumでは、例えば英単語や人の名前などの言語性の情報についての「記憶力(言語性)」の遺伝的傾向についてお調べすることができます。気になる方はチェックしてみてください。

監修者
医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。

参考文献
Borota D, Post-study caffeine administration enhances memory consolidation in humans., Nat Neurosci.